阪神・西、恩師がデビュー戦見守る「夢を与えられるような選手になって」

[ 2019年4月1日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1―2ヤクルト ( 2019年3月31日    京セラD )

京セラドームに観戦に訪れた菰野高・戸田監督(撮影・大森 寛明)
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 阪神・西の恩師・菰野の戸田直光監督(56)が31日、愛弟子の移籍後初登板を妻の純子さん(55)と観戦した。西が登板するシーズン初戦の視察は初めて。開幕3連戦はこの日しか時間が取れなかったとあって「ピンポイントで西君が登板してくれました。うまくコーナーに球を散らしていましたね」と目じりを下げた。

 中学時代はまったくの無名だった西の素質を開花させたのが戸田監督だ。プロへ7選手を送り出すなど投手育成に定評のある指揮官。登板後は必ず2日間ノースローで調整させるなど、細心の注意を払ったことで西に肩肘の故障は一切なかった。当時は苦手なランニングにも打ち込ませ、今につながる土台を築き上げた。「今の高校生よりも数倍は走ってましたね」と当時を懐かしんだ。

 思い出の試合は、08年夏の三重大会決勝・宇治山田商戦だ。同年春の選抜大会で153キロを叩き出した剛腕・平生との投げ合いを制し、西はチームを2度目の甲子園出場へと導いた。「西は表情にこそ出しませんが、内に秘めた闘志と勝ち気、負けん気は人一倍強い子です」。前年の07年夏決勝で完封負けを喫した宿敵に見事リベンジを果たした熱投は今も忘れられない。

 西は昨年12月8日に同校で少年野球教室を開くなど師弟の絆は深く、強い。「期待されてタイガースへ来たわけですから、その期待に応えるだけの数字を残してほしいですね。先発を任されているので、10勝以上は挙げてチームに貢献を。小さな世代からも目標とされるような選手に、そして夢を与えられるような選手になってもらえたらうれしい」。色紙には“夢を追え”と記し、さらなる奮起を促した。(吉仲 博幸)  

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2019年4月1日のニュース