ソフトB高橋礼、プロ初勝利!6回1失点で開幕3連勝導いた

[ 2019年4月1日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3―1西武 ( 2019年3月31日    ヤフオクD )

ソフトバンク先発・高橋礼(撮影・岡田 丈靖)
Photo By スポニチ

 ソフトバンク・高橋礼投手(23)が、3月31日の西武戦に先発し、6回4安打1失点の好投でプロ初勝利をマーク。緩急を駆使する投球で昨季王者の西武打線を最少失点に封じた。打線は柳田悠岐外野手(30)が6回に逆転2ランを放ち、チームは2017年以来2年ぶりに開幕3連勝を飾った。

 お立ち台からの景色は格別だった。プロ初勝利を手にした高橋礼は、はにかみながら口を開いた。

 「緩急が使えて走者が出ても自分の投球ができた。ギータさんが(逆転本塁打で)いきなり決めてくれて格好いいなと思いました」

 マウンドからの視界が変わったのは、今から10年前。高橋礼が14歳のときだった。中学2年時、チームのコーチから薦められ、上手投げから下手投げに転向した。「球が速い投手もいたし、コーチに言われたので」と、フォーム変更に迷いはなかった。

 これまで張らなかった脇腹や下半身にも負担がかかった。それでも、投げ込みながら感覚をつかむしかなかった。専大松戸、専大でも投げ方は変えなかった。気がつくと、球速は140キロを超えた。

 プロ1年目の昨季は先発、中継ぎで12試合に登板し、0勝1敗。2年目は先発で勝負すると決めた。2月の宮崎キャンプで、工藤監督から言われた。「カーブのストライク率を100%にしろ」。長い回を投げるためには、緩急が必要だった。

 迎えた今季初登板。初回2死一塁で山川を98キロのカーブで左飛に仕留めた。「手がボールの下を通過した後に、遅れて出てくる感じ」。ゴルフのロブショットのようなイメージだ。5回に中村に一発を浴びたが、動じない。シンカー、スライダーも交え、6回を101球で投げきった。直球は最速142キロを計測し、カーブとの緩急は48キロもあった。

 プロ入り後、ノーワインドアップで投げていたが、昨季途中からワインドアップに変えた。「タイミングをいろいろ変えられるので」と、フォームにも緩急をつけた。6回、山川の打席では振りかぶってからすぐに投げるクイック投法で詰まらせる場面もあった。

 初勝利の記念球は「(球場へ応援に駆けつけた)父にあげます」。りりしいプロの顔から孝行息子の柔和な笑顔になっていた。

 ▼ソフトバンク・工藤監督 (高橋礼は)テンポ良く投げていた。真っすぐ一本にならずに、緩急をうまく使えていた。

 ≪父も見届けた≫高橋礼の父・伸彦さん(57)は娘と一緒に一塁側内野席で初勝利を見届けた。「去年は一つも勝てなかった。開幕戦で(ルーキーの)甲斐野投手が初勝利を挙げ、思うところがあったんでしょう。頑張ってくれました」と声を弾ませた。主に中継ぎだった1年目と違い、先発ローテーションを担う今季は現地応援の機会が増えそう。「本人は“先発で10勝”と言ってますが、とにかくチームに貢献してほしい」と一層の活躍を期待した。

続きを表示

2019年4月1日のニュース