阪神・矢野監督、開幕3連勝逃すも前向き 視線は巨人3連戦へ

[ 2019年4月1日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1―2ヤクルト ( 2019年3月31日    京セラD )

5回終了後、選手交代を球審に告げた後、手を叩いてナインを鼓舞する矢野監督(撮影・坂田 高浩)
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 阪神は31日、ヤクルト戦(京セラドーム)で4安打1得点と打線が沈黙。1―2で敗れ、今季初黒星を喫した。開幕3試合で計4得点と打線は低調を極めるが、2勝1敗でカード勝ち越しには成功。2日からの巨人との敵地3連戦を前に、矢野燿大監督(50)は「勝ち越しでいける」と前を向いた。

 1点を追う9回も、矢野監督は一塁ベンチで立ちながら戦況を見つめた。チーム方針に掲げる「諦めない」姿勢を、最後まで貫いた。5番・福留から始まる攻撃に最後の願いを託したが、石山の前に3者凡退に終わった

 「打線が点を取れないというところが、負けにつながりました」

 序盤の3イニングはノーヒット。4回こそ今季初の連打で無死一、三塁の好機を築いたが、大山の犠飛による1点のみだった。開幕戦から続く打線の閉塞感を、何とか打破したい――。反撃の突破口をこじ開けるべく、指揮官が動いたのは1―2の5回だった。

 「空気を変えたいなと思って。それが一番変えられるのはトリ(鳥谷)なんで」

 1死一塁から西が犠打を決め、2死二塁。ここまで3戦無安打の1番・木浪に打席が回ったが、指揮官は代打・鳥谷を起用した。「(劣勢ムードの払しょくを)トリ(鳥谷)に一番期待した」。読み通り球場の空気は一変し四球を選んだが、続く近本が一ゴロ。好機を逸したが、無抵抗のままでは終わらなかった。

 6回以降はわずか1安打。本調子ではない攻撃陣は、最後まで本来の姿が影を潜めた。先発野手では福留と木浪が開幕から無安打。それでも、セ・リーグ最年長野手の41歳に対する絶大な信頼感が揺らぐことはない。

 「この先を見てやってくれればいいだけのこと。これからも頼りにしている」

 最後まで前向きな姿勢を強調した。指揮官の提案により、敗戦後にはチーム全員でスタンドのファンに向けて一礼。敗戦後の整列は過去に例がない光景だった。「来てくれてありがとうという気持ちと、ごめんなさいねという気持ち」。敗戦後もテレビインタビューに協力するなど、ここでもファンとのつながりを大切にする。

 惜しくも3連勝は逃したが、監督として初の開幕カードは勝ち越しに成功。貯金1を持って、東京ドームへと乗り込む。「勝っていけるのはいい」。3連戦はわずか4得点に沈んだが、伝統の一戦となれば話は変わる。矢野阪神が決意新たに、敵地から攻勢に転じる。 (山本 浩之)

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2019年4月1日のニュース