阪神 伊藤 「SHE」になれ!矢野監督期待「勝ちパターンに起用十分」

[ 2019年2月21日 05:30 ]

ランチ特打で福留(手前)と対戦した伊藤和(撮影・成瀬 徹)    
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 本格開花が現実味を帯びてきた。フリー打撃に登板した阪神・伊藤和が、打者を圧倒する投球を披露し、見守った矢野監督も勝ちパターンでの起用を描いた。

 「チェンジアップも狙ったところに投げられたし、バッターの反応も良かった」

 立ち上がりから飛ばした。先頭打者のナバーロを4球で追い込むと、最後は外角低めへのチェンジアップで空振り三振。その後も、福留、マルテ、再びナバーロを仕留め、2度目の対戦となった福留は直球で見逃し三振に斬った。打者7人に安打性1本、2Kの“快投”で輝きを放った。

 「(捕手の)梅野と話して、左打者のインコースをいこう(突こう)といっていて、それがうまく投げられた」。2回零封した11日の紅白戦以来となる打者相手への投球で、強い意図を胸に腕を振った。強気の投球に押されたナバーロも「なんでたくさんインハイ投げるの(笑い)。空振りした球(チェンジアップ)もすごく良い球だった」と、脱帽するしかなかった。

 矢野監督はリーグ優勝した05年に同点など接戦での登板が多かった桟原(S)、橋本(H)、江草(E)の頭文字を取った「SHE」を引き合いに出して大きな期待を込めた。

 「俺らの頃で言えば桟原とか、ナベ(渡辺)とか、江草とか、ハシケン(橋本)とか、ああいうところが投げてくれて、接戦で粘って逆転するっていう試合もあった。和雄は勝ちパターンに入ってくる可能性は十分ある」

 1軍通算35試合登板の男に、絶好機が訪れた。「本当にラストチャンスだと思う。何とかしがみつきたい」。30歳を迎えるシーズンはプロ生活の大きな分岐点となりそうだ。

 (遠藤 礼)

 ▽SHE 05年の阪神リーグ優勝に貢献した救援トリオのジェフ・ウィリアムス、藤川、久保田は頭文字を取って「JFK」と称されたが、3人につなぐ中継ぎを担った桟原、橋本、江草はウィリアムスによって「SHE」と名付けられた。

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2019年2月21日のニュース