球児 初のフリー打撃登板 マルテに配慮「相手チームの編成、スコアラーも見てる可能性あるので」

[ 2019年2月21日 05:30 ]

フリー打撃で藤川(左)と対戦し、左翼線に鋭い打球を放つマルテ(撮影・北條 貴史)
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 阪神の沖縄・宜野座キャンプは20日、藤川球児投手(38)が今春初めてフリー打撃に登板。守護神を争うラファエル・ドリス投手(31)に好調ぶりを見せつけた。また新助っ人のジェフリー・マルテ内野手(27)には、他球団007に弱点をさらさないよう配慮して対戦した。

 今季初めてのフリー打撃登板。藤川のキャリアなら柵越えされようが、空振りを取ろうが自身の調整だけに集中すればいいのだが、マルテと対峙(たいじ)したときには他球団偵察舞台の視線が気になったという。

 「たくさん欠点を探すようなボールを投げることはするつもり無かったです。相手チームの編成、スコアラーも見てる可能性あるので、できるだけ課題が出るようなことは避けたいなと思ってやっていました」

 福留、マルテ、ナバーロの3打者と対戦。のべ7対戦で安打性2本は気にならない。それよりも連日、007が新戦力に目を光らせているのを感じている。マルテとは結果的には1度目は火の球ストレートで飛球を打ち上げさせ、2度目はフォークボールで空振り三振を奪ったが、弱点データをさらして丸裸にされるような配球はしたくなかった。新助っ人を思いやる気持ちがあふれた、まさに“球児のカーテン”だ。

 登板後は、通訳無しで直接会話。「お互い、自分のボールを見て、どうとか。自分からはこのボールはこういう打ち方の方が良いンじゃないかとか」

 守護神への返り咲きを公言して2019年をスタートさせた。同じようにこの日初めてフリー打撃に登板した昨年の守護神ドリスとのバトルは始まったばかりだが、チーム全体のことを考えて行動できる選手。個人よりもチーム。最大目標の優勝のためには中軸を期待されるM砲には打ってもらわないと困るというわけだ。

 「昨年から順位を1つ上げるのではなく、4つ5つ上げていかないといけないので。相当なチャレンジが必要なんで。よそのチームも強いし、みんなでかかっていかないと」

 9回の登板に準備しても、リードしていないと自分の出番はない。打線が得点を取ってくれないと働き場所はない。先発投手と違って、自分主導では試合を作れない。ストッパーに返り咲く覚悟がみえた、この日の25球だった。

(長谷川 凡記)

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2019年2月21日のニュース