巨人・原新監督 改革第1弾は岡本に「禁煙令」

[ 2018年10月24日 05:30 ]

フォトセッションを終えて笑顔で原新監督(左)が高橋前監督に笑顔を向ける(撮影・大塚 徹)
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 巨人の原辰徳新監督(60)が23日、東京・大手町の読売新聞本社で就任会見に臨んだ。3年契約で3度目の監督復帰。「原点回帰」と「のびのび野球」を掲げ、背番号も1次政権時と同じ「83」に決まった。5年ぶりのV奪回へ実力至上主義を唱え、4番打者に成長した岡本和真内野手(22)には禁煙を求めた。退任した高橋由伸前監督(43)も会見に同席し、球団の特別顧問に就任することが発表された。

 2次政権を15年限りで退任した後の3年間を、原監督は「第三者的にファンの立場で見ていた」と振り返る。見聞を広めた中で、至ったのが原点回帰とのびのび野球だった。

 「まずファンあってのプロ野球。昨今スポーツ界もかなり厳しいニュースがある。でも原点はのびのびやるのがスポーツです。はつらつと楽しむ、これが必要だと思いました」

 どこかで見失っていたかもしれない原点。それを再確認した。「改めてそこに戻ろう。60歳で監督という役割をいただき、まさに野球少年という気持ちでスタートしたい。自分に言い聞かせ、選手にもまずそこだ、と」。迷いなく、よどみもなく続けた。「そうすれば少々の失敗にくじけず、大きな目標に向かい、大きな選手になることができると思う」。背番号も原点となる、監督初年度に着た83番に決まった。

 計12シーズンで指揮を執りリーグ優勝7度、日本一3度の実績を誇る名将。勝者の哲学はむろん曲げない。「実力至上主義である。そこは譲れない。その考え方がチームの和もつくる」と表情を険しくした。「技術も、メンタルも、体の強さも全て含め選手を見ていく。何よりチームが勝つんだ、と強く思う人間と戦っていきたい」とかつて何度も繰り返した言葉も口にした。

 世代交代の象徴として今季最も飛躍したのが、右の和製大砲で三塁も守る岡本。再建へ屋台骨となる22歳には「まずタバコをやめることだろうね」と思わぬ注文をつけた。退任前最後のドラフトだった14年。投手が欲しいチーム事情の中、4番候補として1位指名を決断した。「(活躍に)感無量なところはありました。さらに日本を代表する4番になるべく、彼と向き合い戦っていきたい」。思い入れ、強く期待するからこその言葉だった。

 山口寿一オーナー(61)からは再建のため3年契約が明言され「チームに関しては監督に全てを任せる。編成も監督の意向を完全に尊重しようと思っています」と全権監督であることが強調された。1軍にヘッドコーチは置かず、宮本和知氏、元木大介氏らフレッシュな布陣で3度目の一歩を踏み出す。「一戦一戦ベストを尽くし日本一を目指す。ファンの方とともに戦い、頂上まで上り詰めるとお誓いしたい」。還暦を迎え、なお一層輝きを増した目で、はつらつと前を見た。 (後藤 茂樹)

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