巨人・池田 格別だった「勝利」の味 闘病中の義父が記念球を手に「ありがとう」

[ 2018年9月10日 09:30 ]

<中・巨16>プロ初勝利のウイニングボールを手にポーズをとる巨人・池田
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 一枚の写真が巨人・池田の心を震わせた。記念球を握り、笑顔の義父。「ありがとう」の一言とともに送られてきた。

 8月4日の中日戦(ナゴヤドーム)でプロ初勝利を挙げた。同点の6回から2イニングを投げ、無失点。8回の勝ち越しにつなげた。敵地でのヒーローインタビュー。闘病中の義父に「勇気や励みになればと思います」とウイニングボールを贈ることを明かした。すぐに義父のもとに送ったところ、その写真が届いたのだ。友人からたくさんの祝福メッセージをもらったが、そのどれよりも嬉しかった。

 今季は23試合に登板し、1勝1敗1ホールド、防御率は4・79。首脳陣から全幅の信頼を得るまでには至っていない。イニング途中からのワンポイント起用など難しい場面での登板もあるが「選べる立場ではない。『行け』と言われたところで結果を残すだけ」と自身の立場を理解する。

 様々な場面での登板に備え「スイッチを早めに入れることを心がけている」という。試合展開を読み、出番がありそうだと察すると、気持ちをつくる。心身ともに万全の準備でマウンドに上がる。

 先発と異なり、抑えたからといって白星が舞い込むわけではない。そのため「中継ぎとしてホールドの方が意識している」。それでも「勝利」の味は格別だ。「1つ勝ってほっとした部分はある。2勝目、3勝目で自分の親に(記念球を)贈りたい」と池田。今年の巨人は主力の故障者が目立つが、一方で池田のように、チャンスを掴み、新たな経験を得た選手も多い。彼らの活躍は自然とチームに勢いをもたらす。今季中に「親孝行」が実現すれば、CS進出もぐっと近づく。(記者コラム・岡村 幸治)

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2018年9月10日のニュース