地震から3日…ハム2戦目で勝った 浅間一丸弾「支えられて野球ができる」

[ 2018年9月10日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム3―1楽天 ( 2018年9月9日    楽天生命パーク )

<楽・日>北海道地震発生後初勝利を挙げ喜ぶ日本ハムナイン(撮影・篠原岳夫)
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 仙台から白星を届けた。6日に最大震度7の大地震に見舞われた北海道を本拠地とする日本ハムは9日、楽天を3―1で下し、北海道地震後2試合目で初勝利を挙げた。負ければ自力優勝の可能性が消滅する一戦で、浅間大基外野手(22)が2回に決勝の右越え3号2ランを放った。逆転優勝を目指し、5・5ゲーム差の首位・西武を追いかける。

 北海道を襲った地震から3日。被災した人々の苦しみは続いている。浅間は言った。

 「僕らは野球ができるだけで幸せ。チーム一丸となって何とか勝利を、という気持ちでやっている」

 小雨そぼ降る杜の都。1―1の2回だった。浅間は2死一塁から横浜高の2年後輩、藤平の139キロ直球を右翼席に運んだ。前回対戦時の8月24日にも先頭打者弾を放ったが「それはたまたま。少し詰まったけど風に乗ってくれて…。長打を打てたのは良かった」。勝ち越したことが何よりもうれしかった。

 6日未明。札幌市内の球団合宿所は激しい揺れに見舞われた。夜が明けても停電、断水は続き、再び夜に。浅間、清宮ら滞在していた選手は懐中電灯5個とろうそくを頼りに、ロビーに集まってゲームや怪談話で気を紛らわせながら不安な一夜を過ごした。道民とともに苦しみを味わい、各自が思いを確認。プロ野球選手ができることはプレーで感動を与えるしかない、と。

 栗山監督は「浅間があそこで打ってくれたのが大きかった」と称えた。地震発生後、初めての白星。その意味をこう言った。

 「選手は少しでも喜んでもらいたいと、自分の使命を感じているのはベンチでも伝わってきた。ヒットを打てなくても、こういう時に何とか勝たなくてはいけない気持ちが勝ちにつながった。そういう選手であってくれたことがうれしい」

 日本ハムファンだけではなく、楽天ファンも募金活動に協力してくれた。浅間は言う。「支えられて野球ができることに、僕らも一生懸命応えないといけない」。負ければ自力優勝の可能性が消滅する一戦で踏ん張った。残り21試合。「これからも勝って勇気を与えられるように頑張る」。22歳の若武者がナインの気持ちを代弁した。(伊藤 幸男)

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