“枠”空いた…イチロー　ビックリ！ベンチ入り！！

ブルージェイズ戦前、ファンの求めに応じサインするマリナーズのイチロー（共同）
Photo By 共同

　マリナーズのイチロー会長付特別補佐（４４）が、コーチ役として１１、１２日（日本時間１２、１３日）のタイガース戦にベンチ入りすることが１０日（同１１日）、発表された。スコット・サービス監督が長女の卒業式に出席するためチームを離れ、ベンチ入り可能な首脳陣の枠が空くための措置。大リーグ機構への手続きも済ませたという。

　マニー・アクタ・ベンチコーチが監督代行を務めるため、イチローはベンチコーチの役割を担うとみられる。サービス監督は「イチローにも助けてもらうことになる。バッティング・オーダーをつくるかも」と言及。さらに「彼は相手打者の研究はもうできている。寝ないで準備していた」と冗談めかした。

　３日に会長付特別補佐に就任して以来、８試合ぶりのベンチ入り。自身の役割についてイチローは「ラインアップ・カード（スタメン表）くらいは書くかもしれないけど、それ以外は分からないです」と冷静に話した。

　フロントとしての肩書を得てからは、試合中はベンチ裏でトレーニングしながらテレビで観戦。「その日はダッグアウトにいないといけないから全然違う」とトレーニングのリズムが変わることへの複雑さものぞかせたが、ベンチで試合を直接体感できることは大きい。「ダッグアウトから見る景色は全然違いますから」と「現場復帰」を喜んだ。類いまれな経験と理論に裏付けられた試合中の選手への助言をはじめ、レジェンドの参謀役デビューに注目が集まる。（笹田　幸嗣通信員）