主力放出を繰り返すマーリンズ 移籍選手はジーター氏ら批判「ひどい。恥ずかしい」

[ 2018年1月6日 10:00 ]

デレク・ジーター氏 (AP)
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 マーリンズが元ヤンキース主将のデレク・ジーター氏らの新オーナーに変わり、異例の主力選手放出を繰り返している。年俸総額を抑えて球団経営を立て直すため、本塁打と打点の2冠王でナ・リーグMVPに輝いたスタントンをヤンキース、盗塁王のゴードンをマリナーズ、主軸のオズナをカージナルスへトレードで放出した。補強ではなく人件費削減にしか見えないトレードに、ファンの不満も高まっている。

 球団は44歳イチローの来季契約の選択権も行使しなかった。そもそも、スタントン、オズナ、イエリチという不動の外野3人がいたからイチローは「第4の外野手」という立場だったわけで、スタントンとオズナが抜けるなら定位置があるのでは…と思ってしまう。

 移籍した選手からも批判の声が上がった。ゴードンは相次ぐトレードについて、地元紙サン・センチネルに「ひどい。恥ずかしい」と話し「残っているイエリチが気の毒だ。彼も勝つために他球団へ行ってほしい」とまで言った。さらにイエリチ、正捕手リアルミュートのトレード交渉が進んでいるという報道もある。04年以降14年連続でプレーオフを逃し、観客動員も伸び悩むチームに改革が必要なのは理解できるが、レギュラーの大半がいなくなって大丈夫なのか。

 興味深いのはジーター氏がヤンキース出身であることだ。かつて資金力にものを言わせて補強を繰り返したことから「Evil Empire(悪の帝国)」と揶揄されたヤンキース。昨季は生え抜きのジャッジ、サンチェスら若手が活躍し、リーグ優勝決定シリーズまで進んだ。だが、オフにスタントンを獲得したことで地元メディアは「再び“悪の帝国”に戻った」と辛口だ。ジーター氏は「帝国」とは逆の大物放出を繰り返している。もし古巣ヤンキースのオーナーになっていたら、どんなチームをつくっただろうか。見てみたい気がする。(記者コラム・渡辺 剛太)

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2018年1月6日のニュース