新井さん 劇打量産宣言 来季も“記憶に残る男になる”

[ 2017年12月4日 05:30 ]

菊池(左端)らが見つめる中、豪快にティーショットを放つ新井(右端)
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 ハワイ優勝旅行に参加中の広島・新井貴浩内野手(40)が2日(日本時間3日)、20年目を迎える来季へ“劇打量産”を誓った。MVPに輝いた昨季に比べて出場機会が減った今季も7月7日のヤクルト戦の9回に放った代打逆転3ランなど記憶に残る打撃があり、目標となる球団史上初のリーグ3連覇へ決意を新たにした。

 優勝の余韻に改めて浸る旅は2日目を迎えた。新井は「オーナー杯ゴルフコンペ」に参加。石原、松山、菊池と同組で楽しんだ。南国の地で心の底からくつろいでいても、リーグ3連覇、そして、日本一を狙う来季の話題になれば、自然と熱がこもった。

 「数字的な目標は一切ない。同じヒット、ホームランでも、より印象に残るいい場面で打ちたいと思っている。とにかくチームが苦しい時に力になりたい。ファンの方に印象が残るヒット、ホームランを打ちたい」

 昨季は132試合に出場して打率・300、19本塁打、101打点で25年ぶりリーグ優勝に貢献してセ・リーグ史上最年長でのMVPを獲得した。今季は100試合で打率・292、9本塁打、48打点。数字の上では下降しても変わらぬ存在感を示した。

 中でも7月7日のヤクルト戦での「七夕の奇跡」はファンの心に深く刻み込まれた。5点劣勢の9回に3点差に迫った後、なお2死一、三塁で代打登場。小川から放った劇的な逆転3ランで首位を走っていたチームをさらに加速させた。先発を外れる日が増えても、毎試合を準備万全で臨むベテランだからこそできた離れ業だった。

 振り返れば、昨年8月7日にも4・5差に迫られた巨人との直接対決で同点の9回2死一塁からサヨナラ二塁打。記録だけでなく記憶に残る一打に価値を見いだし、実際に積み重ねてきた。

 もちろん、3連覇には後輩たちのさらなる成長が不可欠で、特に4番の座を譲った鈴木には「4番としていい成績を残したけどケガがあった。いろんなことを経験した一年だっただろうけど、苦しい経験は今後絶対に生きてくる」と飛躍を信じた。来年1月で41歳。自分ではなく“誰かのために”の思いは、また強くなった。

 ≪個人通算9本≫新井が広島で放ったサヨナラ安打は6本で、現役では石原の7本に次ぐ。阪神時代にも3本あり、個人通算では9本。来季の開幕を41歳1カ月で迎えるが、広島の最年長サヨナラ安打は山本浩二の39歳10カ月で更新の期待が懸かる。

 ≪殊勲安打は13本≫今季の先制、同点、勝ち越し、逆転の肩書が付いた殊勲安打は13本で、チームでは田中と並んで7位。MVPを獲得した昨季の28本から半分以下に減少したが、得点圏打率は昨年の・323から・342へ上昇。勝負強さは健在だ。

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2017年12月4日のニュース