工藤監督動いた！７人継投　最強救援陣で１点差逃げ切った

ＳＭＢＣ日本シリーズ２０１７第３戦   ソフトバンク３―２ＤｅＮＡ （ 2017年10月31日    横浜 ）

＜Ｄ・ソ＞ソフトバンク２番手の石川
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　敵地で一気にケリをつける。ソフトバンク・工藤監督が動いたのは５回だ。１死一塁で左の梶谷を迎えると、先発・武田から右腕石川へスイッチ。いずれもカーブで梶谷を空振り三振、ロペスを左飛に仕留め、主導権を渡さなかった。

　武田は１失点でまだ８６球。５回で先発を降ろすのは今シリーズ初めて。しかも左打者に右投手をぶつけた。工藤監督は「石川の（カーブ）は曲がりが大きい。（タイミングが）合ってそうでも当てられない。通用すると思った」と説明した。

　６回に石川が１死二、三塁を招くと、左のワンポイント嘉弥真を挟み、森にスイッチ。倉本の内野安打の間に１点差に迫られるも、リードは守り抜いた。指揮官は「不運な当たりもあったが、逆転されることなく抑えてくれた」と森も称えた。

　３人ともカーブが得意だが、変化は三者三様だ。武田の「魔球カーブ」は斜めに沈むドロップ。石川の「パワーカーブ」は横の変化幅が大きい。森の「ナックルカーブ」は縦へ鋭く落ちる。対戦の少ないセ・リーグの打者には対応困難だ。

　この日の武田は制球に苦しんだが、２番手・石川が第２戦に続く勝利投手で、今ポストシーズン３勝目。「先発ではないので。チームが勝てたので良かった」と笑い、第２戦で宮崎に勝ち越し２ランを浴びた森は「点は取られたが追いつかれないように投げた」とリベンジ。３投手の特長を生かした工藤采配が、ＤｅＮＡ打線を追い詰めた。　（後藤　茂樹）

　≪先発平均投球回数は両リーグで７位≫強力な先発陣を持つソフトバンクだが、今季の先発投手の平均投球回数は６回に満たない５・８３で、両リーグで７位。完投数４は、広島、阪神と並んで最少だ。昨季の平均投球回数は６・３９だったが、今季は救援陣の層がさらに厚くなったために、先発から早めの継投で勝利をつかんでいる。