広島ドラ3ケムナ カープと浅からぬ縁「直ちゃんラーメン」でアルバイト

[ 2017年11月1日 09:44 ]

緒方監督サイン入りのドラフト会議のパスとピンパッジを手に笑顔のケムナ
Photo By スポニチ

 広島からドラフト3位指名された日本文理大のケムナ・ブラッド・誠投手(22)が31日、大分県大分市にある同大で末永真史スカウトらから指名あいさつを受けた。

 心はすでに広島の一員として燃え上がっていた。カープを連想させる真っ赤なネクタイを締め姿を現したケムナは、照れ臭そうな表情を浮かべながらも喜びを表現した。

 「(指名されるまでは広島ファンであることを)なるべく隠していたけど、カープに指名されてすごくうれしかった」

 米国人の父と日本人の母を両親に持ち、米ハワイ州で生まれた。3歳から日本に移り住み5歳から高校卒業までを宮崎県日南市で過ごした。広島のキャンプが行われる天福球場には、幼少期は毎日のように通っていたという。日南高卒業間近には、キャンプ中に広島の選手の昼食をつくることもある「直ちゃんラーメン」でアルバイトした経験も。広島県との関わりはなくとも、カープとは浅からぬ縁があった。

 そんな1メートル92の大器に担当の田村スカウトは偉大な名前を持ちだし、期待を寄せた。

 「恵まれた体格からの角度あるストレートが魅力。大きく縦に割れるカーブもいいものがある。体力面や細かい技術はまだまだだけど、佐々岡さんのようになってくれれば」

 現在、2軍投手コーチを務める佐々岡は89年ドラフト1位で入団。1メートル85の長身から繰り出される角度ある直球とカーブなどキレ味鋭い変化球を操り先発、救援とフル回転し、通算138勝、106セーブを挙げた。91年には17勝9敗、防御率2・44で2部門のタイトルを獲得しリーグ優勝に貢献。セ・リーグMVPに沢村賞も受賞した、広島を代表する投手の1人だ。

 1メートル92から最速151キロの直球を投げ込むケムナも大学では先発、中継ぎ、抑えと全てのポジションを経験。「今の力ではプロでは全然足りない」と自己分析するが、課題だった変化球の制球力もアップしており「佐々岡2世」を襲名する素質は十分にあるはず。「チームから任されたところを頑張りたい」。潜在能力の高さは誰もが認めるところ。開花した時を想像するだけで、楽しみがふくらむ。(柳澤 元紀)

続きを表示

2017年11月1日のニュース