ダル 中1日でも球宴「投げたい」 右肘手術乗り越え3年ぶり4度目

[ 2017年7月4日 05:30 ]

レンジャーズのダルビッシュ(AP)
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 大リーグは2日(日本時間3日)、11日(同12日)のオールスター戦(マイアミ)のメンバーを発表し、レンジャーズのダルビッシュ有投手(30)が日本選手で唯一選出された。3年ぶり4度目の栄誉。右肘のじん帯再建(通称トミー・ジョン)手術を乗り越えた背番号11は、過密日程の中でも球宴のマウンドに立つことを首脳陣に志願した。

 大舞台への切符を手にしたダルビッシュは、笑顔でしみじみと話した。

 「カムバックできるかどうか分からない中で、リハビリをしてきた。またオールスターに選ばれたのは、大きな意味があると思うので凄くうれしい」

 勝ち星こそ6にとどまっているが、防御率、奪三振、投球回など他の数字は全てリーグ上位。さまざまな数値から換算する「勝利貢献度指数(WAR)」も同3位だ。紛れもないメジャーを代表する投手の一人として、大リーグ機構の推薦により選ばれた。日本選手の選出は、自身も出場した14年以来だ。

 過去の登板は、ミネアポリスで開催されたその14年のみ。チームでは4日(日本時間5日9時5分開始予定)のレッドソックス戦の後、前半戦最終戦の9日(日本時間10日)のエンゼルス戦先発が見込まれ、球宴には中1日の強行日程となる。過去には前半戦最終戦に登板すると投げられない規定もあったが、現在は自身での選択が可能となった。「もちろん投げたいです。(ジェフ・)バニスター監督には言いましたけど」と登板を志願したことを明かした。

 右肘手術も乗り越えて身につけたタフさは、中4日の通算防御率3・02という数字が証明している。過去10年のサイ・ヤング賞受賞者と比較しても、上にはカーショー(ドジャース)しかいない。

 「高校野球だと3日連続でも投げられるけどプロになったらできない。日本の中6日からメジャーの中4日に慣れたということ」。逆に中5日の防御率は3・75とやや悪く「中4日だとルーティンが詰まっていて精神的にも抜かない。1日余分にあると、実際にはやらないけど、“お酒でも…”とか考えてしまう」と苦笑いした。

 今季がレ軍との契約最終年でFA市場でも注目される。球宴で登板すること自体が、タフさという自身の凄みの証明にもなる。(シカゴ・奥田 秀樹通信員)

 ▽14年球宴のダルビッシュ デビュー年からの3年連続選出は投手では史上4人目。3度目で初めてマウンドに立った。3回に登場し、1イニングを3者凡退。先頭プイグ(ドジャース)を7球目のスライダーで見逃し三振させると、トロウィツキー(ロッキーズ)への4球目で観衆を沸かせる。山なりのスローカーブは56マイル(約90キロ)の球速表示。この球宴の全投手で最も遅い球だった。6球目で左飛に仕留め、最後はゴールドシュミット(ダイヤモンドバックス)を1球で二直に打ち取った。

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