内川 誠也にWBC心構え伝授「自分は完全にのまれていた」

[ 2017年1月24日 08:30 ]

日向・小倉ケ浜の砂浜で日の丸に向かってダッシュするソフトバンク・内川(左)と広島・鈴木
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 3月に開催される第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの追加メンバー9人を含む28人が、24日に発表される。23日は打線の鍵を握る右打者3選手が自主トレを公開。昨季、「神ってる」で大ブレークした広島の鈴木誠也外野手(22)はソフトバンクの内川聖一外野手(34)のアドバイスを受け、新たな形を作り上げることを宣言した。

 日本の渚(なぎさ)百選にも選ばれた宮崎県日向市の「お倉ケ浜」。足をとられやすい粒子の細かい砂の上で、鈴木はしのぎを削るように内川と砂浜をダッシュした。旺盛な向上心から2年連続で「内川塾」の門を叩いた。「去年の成績はどうでもいい。ここで新たな打撃を身に付けたいと思って、内川さんにお願いしました」。流行語大賞にも選ばれた「神ってる」でブレークした昨季のことは全て過去に置き去った。

 4年目の昨季は打率・335、29本塁打、95打点。昨年11月にはメキシコ、オランダとの強化試合で侍ジャパンの一員として日の丸デビューも果たした。右の外野手として小久保監督の期待も大きく、鈴木も「世界一を獲りたい気持ちが強い」と闘志にあふれる。

 WBCに2度出場経験がある内川とは打撃論を語り合った。「何かを変えたいと思って今季に臨んでいる」。広角打法を持ち味とする内川は最高の教材だ。この日のフリー打撃で披露したフォームは、昨季終盤よりスタンスが狭いものだった。だが「形に正解はない。毎日感覚は違う」と言い切る。鈴木に「完成」という概念はない。

 技術面だけでなく、国際舞台に臨む心構えも聞かされた。内川は09年大会の1次ラウンド韓国戦で、WBC初打席で二塁打を放ったが、緊張感に押しつぶされ、初球の甘い直球に手が出なかったという。「自分は完全にのまれていた。打てなかったら一生後悔していた。気持ちが受けた状態で打席に入ってほしくない。最初からやる気満々でいったほうがいい」との金言に、「自分の持っている全てを出すだけ」とうなずき、「好球必打」を胸に刻んだ。

 18日に始まった内川との合同自主トレは26日まで続く。内川から「未来は明るい」と太鼓判を押されても「もう一回、一から吸収しようと思ってやっている」と22歳はどこまでも貪欲だ。心身ともに成長を遂げ、「ニュー誠也」で世界に挑む。

 ▽鈴木の侍ジャパン成績 昨年11月のメキシコ、オランダとの強化試合メンバーに初選出。全4試合に出場(先発3試合)し、16打数5安打、打率・313、1本塁打、6打点だった。13日のオランダ戦では「6番・右翼」で出場し、7回に同点の2点二塁打、タイブレーク方式の延長10回1死満塁では決勝グランドスラムと6打点の爆発。小久保監督も「打線の収穫は鈴木誠也」と絶賛した。

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