青田買い大成功かも?金本監督 秘密兵器見つけた「噂には聞いていた」

[ 2017年1月21日 06:45 ]

金本監督が見つめる中、ブルペンで投げ込む竹安
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 阪神の金本知憲監督(48)が20日、西宮市の鳴尾浜球場に選手視察をし、入団2年目の竹安大知投手(22)の投球練習を初めて見て高評価した。「いいボール投げていた。楽しみ」。14年12月にトミー・ジョン手術した右肘に不安がありながら、15年のドラフトで3位指名して青田買いした逸材。金本阪神の秘密兵器はこの男だ。

 グラウンドに姿をみせるや、金本監督はブルペンに吸い寄せられていった。偶然、目に留まったのは竹安の投球練習。1年前のドラフトで“青田買い”した右腕のボールを初めて見て、思わず笑顔がこぼれた。

 「(視察した収穫は)竹安。投球は初めて見た。いいボール投げていた。楽しみ、楽しみ」

 今の時点では指名が間違いではなかったと確信した。確かな力はあるとみた。将来性も感じられた。同時に、昨年の原口のような秘密兵器になる可能性があるとしたら、それは竹安かもしれないと予感した。

 「ずっと噂には聞いていたけど。きれいなフォームでシンプル。(担当スカウトの)田中秀太はちょっとホッとしてるんじゃない。もちろん今年1軍で活躍してほしい。1年早く上位で獲った選手だし」

 熊本ゴールデンラークス時代の14年12月に右肘のトミー・ジョン手術を受けていた。15年シーズンは主にリハビリに充てていたが、潜在能力の高さを認めていた担当の田中スカウトが、1年待って完治してからでは上位で他球団と競合する…と、15年ドラフトでの指名を進言。実際に巨人、中日、オリックスが下位指名する情報をキャッチしており、金本監督は3位まで繰り上げて強行指名した経緯がある。

 1年目は主にリハビリ期間となることは覚悟の上。実際に同期の他の5選手は1年目の昨年に1軍デビューしている。竹安は6月17日のウエスタン・オリックス戦(舞洲)で中継ぎとしてデビュー。ウエスタンでもわずか6試合の登板で終わった。しかし、実質的には2017年が“1年目”という位置づけだ。

 「自然に力が入りました。自分が投げているところを(監督が)見るのは初めてだと思うので、少しはアピールできたかなと思います。評価してもらえないと試合では投げられない。チーム内の競争もあるので、もっとアピールしていきます」

 みずからの球の力で、指揮官を足止めさせたことに胸を張った。自信になった。現状では今春も2軍の安芸キャンプからのスタートが濃厚かもしれないが、金本阪神には逆転のチャンスはいくらでもある。2016年の「幻のドラフト1位」が秘密兵器になる。 (山本 浩之)

 ◆竹安 大知(たけやす・だいち)1994年(平6)9月27日、埼玉県蓮田市生まれの22歳。生後すぐに静岡県伊東市へ転居。高校は二松学舎大付に進学も1年時に伊東商へ転校。甲子園経験はなし。社会人の熊本ゴールデンラークスを経て15年ドラフト3位で阪神入団。昨季はウエスタン・リーグで6試合に登板して0勝2敗0セーブの防御率10・57だった。1メートル83、80キロ。右投げ右打ち。

 ≪青田買いでプロ入り、成功した投手≫

 ★井川慶(阪神)水戸商3年時の97年、悪化した腰痛を理由に他球団が敬遠するなか、阪神が2位指名。2年目の99年に1軍デビュー。01年のローテ定着以降、主戦で2度のリーグV。虎通算86勝を挙げた。

 ★金子千尋(オリックス)04年にトヨタ自動車から自由枠で獲得。1年目はドラフト前に判明していた右肘故障の治療に専念した。4年目の08年に初の開幕投手&2桁勝利。10年に自己最多17勝でタイトル。

 ★吉見一起(中日)右肘故障、手術明けながら、05年トヨタ自動車から大学生・社会人ドラフト希望枠で入団。3年目の08年に開幕1軍入りで10勝をマークした。09、11年に最多勝。11年は最優秀防御率と2冠。

 ★大野雄大(中日)大学No.1左腕の異名を取りながら、仏教大4年時の10年夏に左肩を故障したため、ドラフトは中日が一本釣り。1年目はリハビリに費やし、ローテに定着した3年目13年に初の2桁勝利。

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