“ハマの防人”DeNAドラ1浜口マウンド守る!山城で鍛えた足腰

[ 2017年1月11日 05:30 ]

新人合同自主トレ恒例の山登りで2位となった浜口
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 DeNAのドラフト1位・浜口(神奈川大)が「山男」の意地を見せた。新人合同自主トレ恒例の山登りで、同6位・尾仲(広島経大)に次ぐ2番手でゴール。横須賀市内のベイスターズ球場から標高133メートルの塚山公園まで約2・2キロ、途中から一気に急勾配となる山道を駆け上がった。

 「山にはちょっと自信があったんですけどね」と悔しがったのには理由がある。出身地の佐賀県基山(きやま)町にそびえるのが、標高405メートルの基山(きざん)。1000年以上前の665年には、日本最古の古代山城である基肄(きい)城が築かれ、今も城跡が残る。「家から基山まで走っていって、登って下るという練習をやっていました」と投手に大切な下半身の土台をつくった。

 同城は朝鮮半島での白村江の戦いで唐・新羅連合軍に敗れた中大兄皇子(後の天智天皇)が、外敵から日本を守るために築いた。「天智天皇が、という話は聞いたことがあります」と浜口。2日にも友人と基山に登り、荒穂神社で手を重ねた。そこには「伝説の石」と名付けられた石碑がまつられていた。「ほこらみたいな感じで気持ちが新たになりました」。同地の神々が投げ合ったとされるもので、石ではなく白球を握りしめてプロの世界へ。「これからも機会があればまた行きたい」と由緒正しきパワースポットを毎オフのベース基地とする考えだ。

 山登りトレ後はへばり込む新人の中で誰より早く立ち上がり、大声で後続に声援を飛ばした。まるで「ハマの防人(さきもり)」のように、力強い下半身とスタミナ。大学通算20勝でローテーション入りが期待される即戦力左腕が、心強いルーツを背にハマスタのマウンドで強力打線を防ぎきる。 (後藤 茂樹)

 ▽佐賀県三養基郡基山町 佐賀県の東端部に位置し、福岡県に面する。面積22.15平方キロの約3分の2が丘陵地で、人口は1万7389人(16年12月31日現在)。古くから古代官道や長崎街道など主要道路が通り、交通の要衝地として発展。国の特別史跡「基肄城跡」など遺跡も数多い。福岡市、久留米市などの通勤圏内にあり、ベッドタウンとしても注目された。松田一也町長。

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