西武・牧田 WBC秘策は2つの「ハイ」 国際試合で輝くサブマリン

[ 2017年1月11日 08:30 ]

WBC公式球を手に記者の質問に答える牧田
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 「ハイテンポ&ハイボール」で世界の強打者を封じる!3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンに選ばれている西武・牧田が、埼玉県所沢市内の西武第2球場で自主トレ。WBC公式球を使って約50メートルの距離でキャッチボールを行い、「球がつるつるしますね。上から投げる人は抜ける感覚があって難しい。でも、サイドや変則の投手はリストを使って投げるから苦じゃないと思う」と手応えを口にした。

 世界でも希少なサブマリンは国際試合で特性が輝く。前回13年大会は3試合登板で無失点。今回もWBC球の対応に苦しむ投手が多い中、先発やロングリリーフができ、抑え経験もある牧田は投手陣の鍵を握る。世界で戦った経験を生かし、2つの秘策を明かした。

 1つ目はハイテンポだ。前回、準決勝で敗れたプエルトリコ戦。相手投手の速いテンポに構え遅れた日本の打者がタイムを取っても審判は認めなかった。それを見ていた牧田は「それも一つの手かなと。(日本では)投手が始動しているのに打者がタイムを取ったら外さなきゃいけない」。海外の審判は打者より投手のテンポを優先する傾向にあり、昨季平均投球間隔が8秒1で両リーグ最短だった牧田は、平均1秒1の超速クイックとともに大きな武器となる。

 さらに、地面すれすれから球がはい上がるアンダースローの特性も生かす。「ハイボールとワンバウンドになる緩い球が有効。外国人はどうしても前でさばくので」。緩急と奥行きを使った立体的な投球。低めの緩い球を生かすためにも、高めの直球は生命線となる。

 2大会連続で出場するWBCへ懸ける思いは強い。かつて同僚だったロッテ・涌井、楽天・岸との自主トレも検討したが、WBC球での練習に集中することを決断した。「(国際試合で重圧を)背負っていると普段出ないプレーが勝手に出てしまう。自分の持ち味を出して貢献できれば」。卓越した観察眼と投球技術で世界一奪回の切り札となる。 (平尾 類)

 ≪06年渡辺俊は防御率1.98≫過去のWBCでは、牧田と同じ下手投げの渡辺俊(ロッテ)が06、09年と2大会連続で出場した。06年は3試合に登板して防御率1.98。決勝のキューバ戦でも2番手で3イニングを投げ「アンダースローを世界の人に知ってもらえたと思う」。09年は2試合で、2大会で計5試合のうち、韓国戦が4試合だった。13年の前回大会では左サイドスローの森福(ソフトバンク)が出場。2試合に投げて防御率9.00だった。

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2017年1月11日のニュース