マエケン 投手相手で代えられた 非情采配に「すっきりしない」

[ 2016年10月22日 05:30 ]

ナ・リーグ優勝決定シリーズ第5戦 ( 2016年10月20日    ロサンゼルス )

<ドジャース・カブス>4回途中で降板となった前田はベンチで顔を覆う(AP)
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 ナ・リーグの優勝決定シリーズ第5戦が20日(日本時間21日)に行われ、ドジャースの前田健太投手(28)がカブス戦で3回2/3を1失点でまさかの降板。4回2死一、二塁で投手を打席に迎えたところで屈辱の交代を告げられ、悔しさをにじませた。チームも4―8で敗れて王手をかけられ、崖っ縁に立たされた。22日(同23日)の第6戦はエース左腕クレイトン・カーショー投手(28)が先発して巻き返しを狙う。

 温厚な前田が明らかにいら立っていた。降板してベンチに戻ると、ドリンクを飲み干した紙コップをゴミ箱に投げ捨てた。今季チーム最多16勝を挙げたが、ポストシーズン3試合目でも初白星を逃すばかりか、またしても5回に届かずに降板。「代わると思っていなかったのでびっくりした。2死で投手だし、確実に0点で切り抜けられた。責任を感じるし、すっきりしない感じ」と悔しさをにじませた。

 デーブ・ロバーツ監督が非情采配を決断したのは4回2死一、二塁だった。前田は初回にあっさり1点を失うと、4回も二塁打と死球で無死一、二塁を招いた。そこから2死を奪ったが、投手のレスターを打席に迎えたところで、指揮官は継投策に打って出た。

 「感触は悪くなかった」と振り返る前田と、指揮官の見方は正反対だった。「76球を投げて速球の制球が乱れ始め、変化球も鋭くなくなってきた」。仮にレスターを出塁させて1番ファウラーを迎えた場合は、速球派の救援右腕フィールズの投入を決めていたため「それならレスターもフィールズで」と交代させた。

 前田は「あのまま抑えていければ先発の仕事を果たせた」と悪いなりにも試合をつくっていく考えだったが、今は短期決戦。1、2巡目の被打率はそれぞれ・189、・212だが、3巡目に入ると・338にはね上がるデータもあった。

 リーグ戦なら続投の可能性もあったが、負ければ王手をかけられる一戦で首脳陣に前田の復調を待つ余裕はなかった。今ポストシーズンは3試合に先発して0勝1敗、防御率6・75。投球回はわずか10回2/3と不本意な登板が続く。第6戦以降について「言われれば準備する」と初の救援も辞さない覚悟を示した。(ロサンゼルス・奥田 秀樹通信員)

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