広島あるぞ!黒田で日本一 第3戦先発→もつれれば第7戦登板

[ 2016年10月22日 05:35 ]

日本シリーズ第1戦 ( 2016年10月22日    マツダ )

グラウンドに姿を現し、報道陣の視線を集める黒田
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 日本シリーズ開幕前日恒例の監督会議。日本野球機構(NPB)からのルール説明が終わった直後だ。広島の緒方監督は「一ついいですか」と言って右手を挙げて切り出した。

 「ファンの方も一番注目している予告先発の件ですが、お願いできないでしょうか」

 会議に先立っての会見では「基本的に日本シリーズは予告先発なし。その線でいくと思います」と話していたが、突然の心変わりである。栗山監督が「うちはどちらでも構いません」と応じると、間髪入れずに「よろしくお願いします!」と頭を下げた。第2戦以降は前日の試合後に予告先発を発表することを申し合わせた上で、緒方監督からジョンソン、栗山監督から大谷の第1戦先発投手の名前が挙がった。

 相手先発のタイプによって、シーズン中も打線を入れ替えてきた広島。攻撃面でもシーズン同様の戦いをする上で、メリットはある。だが何より指揮官の脳裏には、今季限りでの現役引退を表明した黒田の存在がある。「黒田というところが注目されていると思うので、そこは包み隠さず。彼は3戦目に投げさせます」と公表。その上で「最後もつれれば可能性はある。先発でいくかは分からんが、もつれればね」と中4日での第7戦登板を示唆した。第3戦は敵地だが、第7戦は本拠マツダスタジアムで試合が行われる。「黒田で勝って日本一」という最高のシナリオも描かれた。

 この日、全体練習で汗を流した黒田も最後の戦いへ気を引き締めた。中でも「打者・大谷」をいかに封じるかが鍵を握るだけに「一選手としてあれだけのものを持っていることに興味はある。対戦機会があれば、ベストの力を出して抑えたい」と初対戦を心待ちにした。「最後のマウンドが日本シリーズなのは幸せ。一緒に戦ってきたチームメートに感謝したい」。チーム全員でここまで来た。舞台も整った。あとは32年ぶりの日本一へ、41歳は腕を振る。(倉橋 憲史)

 ≪6度中5度が7戦以上≫過去66度の日本シリーズのうち、第7戦までもつれ込んだのは24度。その割合は36%に過ぎないが、広島に限っては話が違う。過去6度のうち日本一に輝いた79、80、84年を含む5度が7試合以上(86年は8試合)と第7戦に縁がある。なお、今回も7試合なら、日本シリーズの通算試合数がちょうど400に到達。節目の一戦で黒田が有終の美を飾るか。

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