金本阪神 異例のリポート提出指令 若虎に宿題出されていた

[ 2016年10月10日 06:30 ]

練習中に指示を出す金本監督
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 「超変革」1年目を終えた阪神が、今季1軍で激しい競争を繰り広げた若虎たちに異例の「リポート提出指令」を出していたことが9日、分かった。今季の成績はどうだったのか。見えた課題は何なのか。そして、これからやるべきことは…。飛躍のために、自らを客観的に分析させた。

 高山が原口が、そして北條や青柳らもリポート用紙にペンを走らせた。自筆の文字で、そして自身が考えた言葉で2016年シーズンを振り返り、オフのテーマを書き込んだ。球団が若虎たちに『超変革リポート』を課し、この日の期限までに提出。甲子園&鳴尾浜組は直接球団へ、宮崎のフェニックス・リーグ組は2軍関係者に手渡した。

 チーム関係者が「いろいろな目的があります」と言葉を濁しながら、その狙いを明かす。みずからをどう分析し、どんな考えでいるのか―。選手が目指しているものと、チームが求めているものにズレがあれば即対応したい。昨年まで1軍選手レベルにリポートを求めてはおらず、球団も超変革してチームへの支援態勢を整えていくのが狙いだ。

 オフのテーマは選手おのおの違う。球団新人記録を更新するシーズン136安打を放った高山も最終戦のあと「(今季の成績に)満足はしていません」と語ったように打率3割への挑戦、金本監督から期待される本塁打量産、そして外野守備と課題は山積み。不動のレギュラー定着にはすべて不可欠な条件だ。

 遊撃で41試合にスタメン出場した北條もまだ1年間通してプレーしていない。打率・273、5本塁打、6盗塁と数字的にも合格点とはいえず、まだ鳥谷から完全に奪い取ったとは言いがたい。

 打撃(打率・299、11本塁打)は一定の評価を勝ち得たが、捕手としての信頼は決して高くない原口も課題は明確。一塁や三塁のポジションについてどう思い、いや、捕手のこだわりがどれほど強いのかも球団は共有することができる。

 投手では青柳が6月からローテーションに定着して4勝を挙げた。しかし68回1/3で与四死球48と制球力の向上がこの秋の最重要テーマだが、ではどのような取り組みをしていくのか。この他にも坂本や板山らの1年生、彼らと同世代の中谷や松田、さらに岩崎、金田、秋山らなどそろそろ中堅の域に入る選手までが対象で、せっかく金本監督による超変革指導を受けるのだから、有望な素材を一人でも多く埋もれさせないようにしたい。

 金本監督は今秋のドラフトでも3位以下で「希望枠」として高校生投手の指名を予定するなど、素材重視の選手を大量獲得する可能性もある。今回の超変革リポートがそのまま今後の育成システムの「教科書」にもなるかもしれない。

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2016年10月10日のニュース