DeNA今永 暴投1点呼ぶバントの構え 同じ投手心理読んだ

[ 2016年10月10日 09:00 ]

セ・リーグCSファーストS第2戦 ( 2016年10月9日    東京D )

<巨・D>2回2死一、三塁、バントの構えでゆさぶりをかける今永
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 状況を把握する冷静さ。効果的な手を打つ大胆さ。DeNAは打線が振るわず1得点で敗れたが、その1点は新人・今永が創意工夫を交えてもぎ取ったものだった。

 2回1死一、三塁で相手先発・田口は8番・戸柱を三振に仕留めた。そして今永を迎える。9番で投手の今永はその初球、いきなりセーフティーバントの構えを見せた。超満員のスタンドがどよめく。「相手が何をされたら嫌か。小細工というか、簡単には終わりたくなかった。自分のアイデアです」。ベンチから出たサインは待球。だが、相手バッテリーの意表を突いた。

 2球目にもバントの構えを見せると投球は大きく外角に外れた。ここで捕手の小林誠はたまらずマウンドへ。ひと呼吸置いたはずが、続く3球目の直球はワンバウンドの暴投となり先制点が転がり込んできた。「動揺しちゃ駄目だけど、リズムをつくることができなかった」と田口は振り返る。今永は同じ投手としてそんな相手の心理を読んだ。2死を取って、打席には投手。多少の安心感はあっただろう。そこが狙い目だった。

 勝利には結びつかなかったが、短期決戦では1点の重みが違う。新人左腕が打席で見せた姿勢こそが、第3戦を戦う上での大きなヒントとなる。 (鈴木 勝巳)

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2016年10月10日のニュース