【斎藤隆パドレス留学記】日本のボールパーク化 ヨガ教室がヒントに

[ 2016年8月17日 13:00 ]

ペトコ・パークの右中間芝生席の奥には子供たちが遊べる小さな野球グラウンドがある

 先週土曜日(13日)の朝のことです。アパートの窓からパドレスの本拠ペトコ・パークを見ると、外野の芝生の上で大勢の人がマットを敷いてヨガをやっていました。スコアボードがある大型ビジョンにインストラクターを映し出し、ヨガ教室を開催していたのです。

 調べてみると、「YOGA FOR HOPE」という年1回の大きなイベントで、今年が6回目でした。ヨガ教室は90分間で、参加費は45ドル(約4500円)。みんなでヨガを楽しもうというだけのイベントではなく、参加費はカリフォルニア州のがん研究機関の基金に回されます。過去5年で総額20万ドル(約2000万円)が、がん研究のリサーチなどに生かされているそうです。

 パドレスは今月9~17日まで東海岸に遠征中で、チームがいない間を利用してのイベント開催。球場の外野を使ってヨガ教室というのは、「自由な発想だな~」と感心してしまいました。

 今回、選手とは違う立場で球団に携わり、メジャーの球場の使い方というのがとても勉強になっています。例えば、ペトコ・パークは右中間が芝生席で丘のようになっていますが、その奥には公園のようなスペースがあります。滑り台やジャングルジム、さらに小さな野球のグラウンドも。小さな子供たちを飽きさせない工夫が凝らされています。

 家族連れだけでなく、ビールを片手にサラリーマンがオフィスを抜け出し、ミーティングをしているような光景も見られます。米国は「ボールパーク」と呼ぶように、球場が野球を見るだけの場所だけではなく、家族団らん、あるいはくつろぎの場所として定着していると感じます。

 楽天のコボスタ宮城も、今年から公園のような芝生席ができ、観覧車、メリーゴーラウンド、カフェなどがオープンしています。日本の球場もボールパークに近づいていますが、ハード面だけでなく、地域の人たちを結ぶ利用方法がもっとあるのではないか。ヨガ教室が一つのヒントになりそうです。 (パドレス編成本部付インターン)
 

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