イチロー バット折られた…代打で凡退 偉業へシカゴで?

[ 2016年8月2日 05:30 ]

内角球に詰まって一飛のイチロー

ナ・リーグ マーリンズ5―4カージナルス

(8月1日 マイアミ)
 マーリンズのイチロー外野手(42)は31日(日本時間1日)、カージナルス戦の7回に代打で出場したが、一飛に倒れた。本拠地マイアミ10連戦でのメジャー通算3000安打達成はならず、あと2本で舞台をシカゴに移すことになった。

 2点リードの7回無死一塁で代打イチローがコールされると、大声援が沸き起こった。右腕マルティネスの7球目、内角高めの96マイル(約154キロ)を叩いたが、バットを折られて力ない飛球となった。それまでの6球は外角で、最後に投じられた内角球。メジャー屈指の捕手モリーナは「うまく攻められた」と振り返り、互いに認め合う好敵手に「明日にでも3000安打を達成してほしい」とエールを送った。

 3000安打に残り4本としてマイアミに戻る際に「(本拠地達成は)そんなに簡単ではない。先発で毎試合出ているのと全然意味が違う」と冷静に分析していたイチロー。実際、9試合出場で17打数2安打、先発は2試合だけだった。「第4の外野手」の難しさが改めて示された格好で、ドン・マッティングリー監督は「今は少しボール球に手を出しているかもしれない」と指摘した。

 1日(同2日)からは敵地での6試合。カブスのジョー・マドン監督は、対戦を翌日に控えてイチローとの思い出を回想した。レイズを率いていた09年、ア・リーグを指揮した球宴の前夜にセントルイスのイタリア料理店で遭遇したという。1番で出場予定のイチロー(当時マリナーズ)にワインを贈り「初球を本塁打にしてくれ」と頼むと「鋭い当たりのファウル。狙ってくれたんだ」と懐かしんだ。

 マドン監督は「(日米でともに)最高の打者になった。日本ではすごい騒ぎになることだろう」と偉業達成を心待ちにするように話した。カブスの先発は第2戦が対戦打率・313のハメル、第3戦が投手別最多の37安打を放っているラッキーで、どちらかで先発の可能性はありそう。リグリー・フィールドでも打率・304(23打数7安打)と3割以上の好相性。開場102年、ツタに覆われたノスタルジックな球場で歴史を刻む。(笹田幸嗣通信員)

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2016年8月2日のニュース