金本監督「対策せなアカン」また“ナイター明けデーゲーム”貧打

[ 2016年5月30日 06:30 ]

<巨・神>沈黙する打線が歯がゆいのか、ベンチでスイングの動きを見せる金本監督

セ・リーグ 阪神1―2巨人

(5月29日 東京D)
 ゼロからの再出発だ。阪神は交流戦前最後のリーグ戦となった29日の巨人戦(東京ドーム)に1―2で敗れ、勝率5割に逆戻り。3位に後退した。巨人先発の高木に7回まで3安打1得点に封じられ、この右腕の登板試合は通算5戦全敗となった。金本知憲監督(48)はナイター明けのデーゲームでの貧打を課題に挙げ「対策をせなアカン」と語気を強めた。弱点を一つずつ克服しながら「超変革」を推進。交流戦で攻勢に転じ、チーム浮上という実りを手にする。

 精彩を欠いた。巨人投手陣の前に、わずか4安打。確かに相手先発の高木は状態がよかった。とはいっても…。鳥谷のソロで1点を取るのがやっと。これで高木の登板試合は通算5戦全敗となった。天敵にひねられ、勝率5割に逆戻り。金本監督も貧打に首を傾げた。

 「高木は良かったけどね。ちょっと(打者の)振りが鈍いね」

 まさに指揮官が嘆いた通りの拙攻劇を演じた。3回までは1人の走者も出せず。4回の鳥谷のソロ、6回の鳥谷の二塁打の後も、波に乗れない。相手の思惑通りに凡打の山を築かされ、最後まで淡泊な攻撃に終始した。

 「デーゲーム対策をせなアカン、これは。とらえているのに全然、振れていない。デーゲーム弱いんでしょ? ウチはずっと、ここ最近。どこもそうなんかな。そういうことを聞いたことがあるけど。点が取れないと」

 指揮官は、振りが鈍った要因を「デーゲーム」に見いだした。それは、数字も雄弁に物語っていた。今季のチーム1試合平均得点は4・02。デーゲーム通算でも、同4・14と大きな変化は見られない。ところが、条件を「ナイター明けのデーゲーム」に絞ると一気に課題が浮き彫りとなる。1試合平均得点が3・30まで急落するのだ。その10試合では当然チーム成績も振るわず、3勝7敗と大きく負け越している。

 もちろん、ハイそうですか…では済まない。弱点が露呈したなら、対策を練るのみだ。「ちょっと準備をね。体の切れを出すね。まだ(体が)起きていない感じだったからね」と指揮官。確かに“夜勤明け”は誰しも辛いが、早出などを導入して改善を図る算段だ。
 「昨日(28日)、一昨日と、ああいう勝ち方をしたんだから、きょうは取らないとね」

 同一カード3連勝とはいかず、勝率5割に逆戻り。31日に開幕する交流戦は文字通り「ゼロからの出発」となる。「(交流戦は鳥谷の状態が)一つの鍵でしょうね。やっぱり上位を打ってもらわないといけない打者だから。1、2、3番を。あとヘイグ…ヘイグもそうだけど、孝介も今のところ落ち気味なんかな」。打線の状態は決して良好ではない。53試合で43通りのオーダーを組み、新戦力の発掘、伸長に努めてきた。弱点も、あせらずに一つずつ克服していく。シーズンのすう勢を大きく左右する交流戦でも「ナイターデー」が3試合。そこでも「超変革」を推し進め、チーム浮上という果実を手にしたい。(惟任 貴信)

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