広島 対ヤクルト6戦16発!丸、松山、誠也弾で逆転勝ち

[ 2016年5月11日 05:30 ]

<ヤ・広>4回2死二塁本塁打を打った松山(左)はベンチのナインの出迎えを受ける

セ・リーグ 広6-3ヤクルト

(5月10日 神宮)
 広島は10日のヤクルト戦(神宮)に6―3で逆転勝ち。3点を追う4回に丸、松山の2発で追い付くと、7回には菊池涼介内野手(26)の渋~い中前ポテン安打で勝ち越し。最後は代打・鈴木がダメ押し弾だ。この日の3発を含め、ツバメ相手に打ち上げた花火は実に6戦16発。6回を7安打3失点のジョンソンがリーグトップに並ぶ4勝目を飾り、赤ヘルはリーグ一番乗りで20勝に到達した。

 勝負どころはきっちり決める。それが千両役者の真骨頂だ。3―3で迎えた7回1死一、三塁の好機。それまで快音の無かった菊池が勝利への執念をバットに込めた。敵地でのヒーローインタビューに声が弾んだ。

 「得点圏に走者がいたので、開き直って思い切り行った。微妙な当たりだったけど、ヒットになってよかった。正直、落ちた瞬間は嬉しかった」

 カウント1―1から、2番手・秋吉の141キロ真ん中低め直球を振り抜くと、フラフラと舞い上がった打球は中前にポトリ。満足できる当たりじゃない。それでも4打席目で初めて灯した「H」ランプが勝ち越し打となり、背番号33の表情には安ど感がにじんだ。

 前3打席は外角球にまるで合わず、2度の空振り三振に遊ゴロ。「情けない打撃だった」と吐き捨てる。中堅から右方向へ打つ、いつものつなぐ意識は見られなかった。それでも決めるところは決める。得点圏打率・417は新井に次ぐリーグ2位。底力だった。

 逆襲に転じた一発攻勢も特筆ものだ。3点を追う4回1死から、丸の一撃が流れを変えた。1ストライクから新垣が投じた内角143キロ直球を完ぺきにとらえ、右翼席中段へ。5月1日、中日戦(マツダ)以来の7号ソロ。「自分のスイングができた」と自賛した。

 松山も続いた。なおも2死二塁とし、新垣の内角フォークを右翼ポール際へ。4月22日、阪神戦(同)以来の2号は値千金の同点2ラン。9回には代打・鈴木も久古から左中間へ4号を叩き込むから痛快だ。ヤクルト戦はこれで5勝1敗。6戦16発の花火が効いているのは言うまでもない。

 「いい攻撃ができた。褒めてあげたい。丸の一発が大きい。あれがなければ新垣に抑えられそうな雰囲気だった。松山の2ランにもつながった」

 逆転勝利に緒方監督はご満悦だ。殊勲者の名前を列挙して称えた。

 「7回は代打・天谷の四球。菊池、新井の一打も大きいよ。最後は誠也の一発。あの1点は中崎のいい援護になった」

 菊池が「カードのアタマを取ったのは大きい」と言う通り、先発陣の駒が不足する中、ジョンソンで勝ったのは大きい。今日は何発の花火を打ち上げるのか。強力赤ヘル打線から目が離せない。(江尾 卓也)

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2016年5月11日のニュース