西岡いざ逆襲打 完全復活へ「まだまだ」も二塁手争い激化の予感

[ 2016年2月8日 05:36 ]

子どもたち、金本監督(右)らが見つめる中、ティー打撃で豪快なバッティングを披露する西岡

 阪神は宜野座キャンプ第2クール2日目の7日、2日連続でシート打撃を実施し、西岡剛内野手(31)が“2016年初安打”を放った。前日から数えて実戦形式2打席目。鶴のカーブをとらえ、強烈に右前へはじき返した。右肘故障などで不本意だった過去2年間からの再起を期す春。金本知憲監督(47)に二塁手争い激化を予感させる快音だった。

 冗舌な姿はない。メニュー表に「特WT」と書かれたウエートトレを終えて球場を引き揚げる際、西岡は囲まれた報道陣に多くを語らなかった。

 「まだまだ。結果が出ただけ」

 まだ1本目。紅白戦でもなければ、対外試合でもない。シート打撃という実戦を模した練習の中で放った1本の安打を、それでも「結果」と表現した。今春に求め続けていく「結果」の1本目と位置づけた。

 キャンプ最初の日曜日。今春最多8000人を集めた観衆に復活への第一歩を見せつけた。1死一、三塁を設定された最初の打席で鶴と対峙(たいじ)。カウント1ボール1ストライクから3球目のカーブを鋭く振り抜き、右前へ強烈な打球を打ち返した。

 シート打撃で1打席だけ立った前日6日は岩崎の変化球に詰まって中飛。今春“2度目の”打席で待望の快音を響かせた。秋山と対戦した2打席目は野選を誘う三ゴロ。キャンプ序盤から着実に実戦的な打席を重ねる。

 米国から猛虎へ迎えられて4度目の春。特別待遇はない。過去の実績を忘れたように初日からフルメニューに参加してきた。昨春途中で転向した三塁ではなく二塁に就き、上本、大和との競争に身を置いた。

 昨年5月に右肘内側側副じん帯損傷で離脱。以降は実戦守備に就いていない。シート打撃での二塁守備も、まだ試運転の段階だ。今成の三ゴロでは二塁ベースカバーへ入り、体勢を崩して併殺を狙った一塁送球がそれる場面も…。金本監督は故障明けの右肘を調整途中とした上で全体的な仕上がりのよさを認めた。

 「肘はスローイングを調整しながら、やってくれている方じゃないですか。ノックのボールまでのスピードも、まずまずあると思うし」

 二塁のレギュラー争いは始まったばかり。「最後の最後まで、どうしようか、というくらい3人とも順調にいってほしいですね。本当に」。金本監督が期待し、思い描く激しい競争は西岡の存在を抜きには実現しない。

 昨春のように状況によって三塁へ回る方針はいまのチーム内にはない。二塁の定位置を奪還できなければ、レギュラーの座は得られない。本人も承知の上だ。「(今までで)一番強いメンタル」と胸を張って乗り込んできた春の陣。鋭い視線でもう次の結果を追い求めていた。(柳澤 元紀)

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2016年2月8日のニュース