由伸監督、松井臨時コーチにムチャぶり「生の声聞きたいと」

[ 2016年2月8日 05:30 ]

ランチタイムに観客にあいさつした高橋監督(右)は松井臨時コーチにマイクを渡す

 巨人・高橋由伸新監督(40)が7日、宮崎キャンプのメーン球場、KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎でマイクパフォーマンスを行った。宮崎では長嶋茂雄終身名誉監督(79)が監督時代に3度行った、伝統の肉声あいさつ。今キャンプで初めて上着を脱いで背番号24も披露した。サプライズで松井秀喜臨時コーチ(41)にマイクをパスする一幕もあり、キャンプ初の日曜日に集まった3万2000人の観衆を沸かせた。

 うららかな日差しが、白いユニホームを際立たせた。焦げ茶色のダイヤモンドの真ん中で背番号24を披露した高橋監督は、マイクを握ると、まずファンへと一礼した。

 「みなさん、こんにちは。巨人軍の監督として指揮を執ることになった高橋由伸です。よろしくお願いします」

 ランチタイムに行われたマイクパフォーマンスは、丁寧な言葉で始まった。キャンプ地であらためて監督としての所信表明。「新しい挑戦、伝統の継承を胸にシーズンを戦ってまいります。セ・リーグは混戦が予想されます。それを勝ち抜くためにも、この宮崎で選手個々のレベルアップ、そして一年間戦う基礎をつくりたい」と、柔らかな声色に強い決意を込めた。

 宮崎でのマイクパフォーマンスといえばミスターだ。長嶋監督時代、第2次政権1年目の93年、80年、00年と3度、マイクを握ってファンを沸かせる光景が見られた。愛されるチームづくりを掲げる高橋監督も、キャンプ地のファンへ思いを伝える場を考慮。放送席からではなく、姿を見せての肉声に加えてサプライズも仕掛けてみせた。

 あいさつの終盤に「みなさんも松井さんの生の姿、生の声を聞きたいと思います」。大歓声の中、ベンチから出てきた松井臨時コーチにマイクを託した。同コーチは「監督がむちゃぶりしたのでひと言、しゃべります」と第一声。続けて「小さいお子様は“あなたは誰なんだ”と思っていると思います。一応、昔はジャイアンツの選手だったんです」と冗談を連発しつつ、1歳年下の指揮官へのエールで締めた。

 「昨年は優勝を逃しました。この状況を謙虚な気持ちで受け止めて、これから頑張ってくれると信じております」

 練習後、両雄はファンが喜んだ姿に「それならよかった」と口をそろえた。ただ、高橋監督はあいさつの出来栄えには言葉少な。「そんなね。ちょっとね」。少しずつ日焼けが増す顔に、照れ隠しの笑みが浮かんだ。(春川 英樹)

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2016年2月8日のニュース