松坂「マメ」ニモ負ケズ…95球熱投「連投」の可能性も示唆

[ 2016年2月8日 06:35 ]

投球練習中に右手親指のまめを気にする松坂

 「マメ」ニモマケズ。ソフトバンク・松坂大輔投手(35)は7日、キャンプ3度目のブルペンに入り、捕手を立たせたまま95球を投げ込んだ。途中、右手親指のマメがつぶれる場面もあったが、テーピングを巻き、今季最多の球数に到達。9日からの第3クールでは今キャンプ初の「連投」に取り組む可能性も示唆し、本格的に開幕ローテーション争いに打って出る。

 55球を投げ終えた時だった。マウンドを降りた松坂が右手親指を気にするそぶりを見せた。ツメの右側にできたマメがつぶれかけていた。これで投球は終わりかと誰もが思ったが、トレーナーからテーピングをしてもらい、再びマウンドへ戻った。

 「あそこで終わるのは。もったいなかった」

 テーピングの影響で抜け球が多くなると、打撃用スプレーを指先に吹き付けてまで投球を続けた。「試合中はやりませんよ(笑い)」と冗談も飛ぶほど上機嫌だった右腕はそのまま、球数を今季最多の95球まで伸ばしてみせた。

 投球フォームに手応えがある。ここまで周囲のアドバイスに耳を傾け続けた。「工藤監督と東尾さんに相談し、それを出した結果、多少、形はよくなったと思います」。2月1日のブルペン投球では体の正面に真っすぐ左足を上げていたが、この日は左足を巻き込むように少し、ねじらせた。「真っすぐ立とうとしすぎる方が、開きが早い」。体の開きを最小限にするための微調整だ。その差はわずかだが、18・44メートル先に届く白球の手応えは大きく違うようだ。

 ペースアップも考えている。昨年8月に右肩を手術した影響からブルペンでの連投は禁止されている。だが「捕手を座らせるのではなく、キャッチボールの延長で数多くブルペンへ入るのが一番いい。次のクールも初日、3日目と入る予定なので2日目どうするかですね」とにやり。この日のように捕手を立たせたまま、あくまでもキャッチボールの延長という理由で「連投」を解禁させる構えだ。

 昨年2月19日には右手親指、薬指にできたマメの影響でブルペンを回避し、そのまま投球練習は行わず、キャンプ打ち上げとなった。「去年のマメですか?別のところが気になっていたので覚えてないですね」。「別のところ」だった右肩の不安は解消され、その視線は目標に定めた開幕ローテーションだけを見つめているようだった。(福浦 健太郎)

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2016年2月8日のニュース