「プレミア12」大一番の先発は、抑えは 小久保監督の柔軟性注目

[ 2015年10月16日 09:00 ]

侍ジャパンの小久保監督

 11月に日本と台湾で共催する国際大会「プレミア12」の日本代表の最終登録メンバー28選手が発表された。日本のみならず、韓国のメディアも日本を分析。「左投手が2人しかいない」「正捕手不在」などと議論されている。

 だが、戦力をそろえるという点で、現時点で一番勢いのある選手を優先的に選んだ結果であって、バランス重視を考えたら個々の選手の質を落とさねばならない。トップチームは最強メンバーであるべきことを考えたら、バランスはある程度崩れても仕方はない。

 小久保監督は11月8日の開幕・韓国戦について「いいスタートを切りたいという思いが当然ありますので、そういうところの韓国というのは、少しキーになるかなと思います」と語った。ただ、開幕投手については「ある程度は決まっていますけど、今日は申し上げることはできません」と言葉を濁した。

 指揮官は先発ローテーションについて、予選リーグの5試合は別々の先発投手と立てることを示唆している。となると、開幕に投げた投手は台湾で行われる準々決勝に先発する可能性が高い。関係者は「東京ドームに戻る準決勝進出は最低条件」と口をそろえる。その東京に戻る大一番となる準々決勝は、プレッシャーがかかる大一番だ。チーム浮沈の鍵を握る2試合を託す投手は、極めて重要な決断となる。

 今回の選出メンバーを見ると、その候補は2人だ。パ・リーグで投手3冠となった大谷翔平投手(日本ハム)か、小久保監督が「エース」に指名した広島の前田健太投手(広島)。2人とも、すでに今シーズンを終え、大会に向けて調整に入っている。この難しい調整期間の調整能力、安定感や大舞台での経験を考えると、前田健が上だ。慣れ親しんだ本拠地の札幌ドームでの試合、日本の将来を託す投手との期待を込めれば大谷となる。

 小久保監督はクローザーに関して、楽天・松井裕、DeNA・山崎康ら若い投手がいるため、1人に決めつけずに試合の流れに応じて起用していく方針を示した。ただ、それだけではあるまい。各球団のエース級がそろった先発投手は今回の侍ジャパンの強みでもある。準決勝や決勝では後ろに回るケースも出てくる。09年のWBCでダルビッシュ(現レンジャーズ)が胴上げ投手となったように。その候補は三振を取れる投手。大谷か、13年の日本シリーズでも抑え経験のある則本(楽天)あたりだろう。

 小久保監督にとって初の真剣勝負の場となる。刻々と変わる戦局に対応する起用の柔軟性も注目して見ていきたい。(倉橋 憲史)

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2015年10月16日のニュース