ソフトB、一気王手!内川“幸運のスパイク”で連夜のV撃

[ 2015年10月16日 05:30 ]

<ソ・ロ>6回2死二塁、李大浩の右前適時打で生還し、工藤監督(左)に笑顔で迎えられる内川

パ・リーグCSファイナルS第2戦 ソフトバンク6―1ロッテ

(10月15日 ヤフオクD)
 パ・リーグのCSファイナルSは、ソフトバンクが連勝でアドバンテージを含めて3勝とし、日本シリーズ進出に早々と王手をかけた。1―1の6回、CS、プレーオフの最多タイ記録となる6打数連続安打で5点を勝ち越し。内川聖一外野手(33)が第1戦のサヨナラ打に続く決勝打を放った。

 二塁ベース上で両手を突き上げた。その内川の歓喜の姿を見届けた工藤監督もベンチから飛び出し、両手を突き上げた。1―1の6回に決勝2点二塁打。延長10回にサヨナラ打を放った前夜に続いて4番の仕事を果たし「チャンスが来る心の準備はできていた。ここで打つしかないと。気分は最高」と声を弾ませた。

 今季初対戦で10年から6連勝を許していたロッテの左腕・古谷に苦しめられた。それでも6回2死無走者から今宮が中前打で口火を切ると、左足に痛みを抱える柳田が必死に走った遊撃内野安打でつなぐ。一、二塁。2打席凡退で迎えた内川は「合わせにかかると打たされる。タイミングがずれても強く振ってみようと思った」と発想を変え、カーブに泳がされながら左中間まで飛ばした。

 リードを奪えば止まらない。李大浩が適時打、さらに死球と安打で塁を埋める。ベンチに戻った主将の内川から「他の選手も打てよ」と鼓舞するヤジも飛び、吉村は「むむむ!と思った」と中前2点打。プレーオフ、CSタイ記録の6打数連続安打で一挙5点を勝ち越し、工藤監督は「きょうもキャプテンの一打に勇気をもらって楽になって連打が出た」と喜んだ。

 心ばかりの験担ぎだろう。内川は前夜のサヨナラ打でナインにもみくちゃにされた際、右足のスパイクが破れた。新品もあったが、接着剤で補修。「何か嫌でしょう。もったいないし」と笑った。スパイクは少し不格好でも、バットは絶好調で連夜の決勝打である。

 今季初めて4番を務め、レギュラーシーズンでは打率・284。横浜(現DeNA)時代から7年連続でマークした打率3割は途切れた。慣れない打順で長い不振も味わったが、糧にした。CSで持ち前の勝負強さを発揮し「CS、日本シリーズで全部払しょくしてやろうという気持ちでやってきた」と力強く言った。

 同じ本拠地で行われた05年プレーオフ、10年CSファイナルSで敗れた因縁のロッテに連勝し、アドバンテージを含め3勝。勢いを加速させた内川は「チーム全体で“もう1つ絶対勝つんだ”という気持ちでやっていきたい」と一気に日本シリーズへの切符をつかむ。 (福浦 健太郎)

 ▼ソフトバンク・王貞治球団会長(内川について)さすがキャプテンマーク。いい仕事をした。(王手を)つかんだんだから、一気に(決めたい)ね。

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