阪神 サヨナラ負け5割逆戻り…終盤2点差追いつくも安藤力尽く

[ 2015年6月12日 05:30 ]

<ソ・神>延長11回2死一塁、松田(左)にサヨナラ2ランを打たれた安藤

交流戦 阪神3-5ソフトバンク

(6月11日 ヤフオクD)
 阪神は11日、ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で延長11回激闘の末、今季4度目のサヨナラ負けを喫した。2点を追う8回、開幕から無失点だった五十嵐相手に追いつく粘り腰。同点後も続いた好機ではゴメスに代走・荒木を送る勝負手も打ったが、実を結ばなかった。交流戦首位決戦は1勝2敗の負け越し。勝率5割で首位の巨人から2・5差へ後退。昨秋の日本シリーズでも敗れたソフトバンクへの雪辱は今秋の頂上決戦で晴らせばいい。

 懸命の粘りも、幕切れはあっけなかった。3―3で迎えた延長11回2死一塁。5番手・安藤が松田に投じたスライダーが、やや甘く入った。左中間席へ着弾する無情のサヨナラ2ラン。4時間25分という激闘の末の敗戦に、和田監督の横顔にも疲労が色濃くにじんだ。

 「なかなか点が取れない中ではよく追いついたけどね」

 敗色濃厚の展開でも、簡単に白旗は上げなかった。1―3の8回、開幕から19試合無失点だった五十嵐を攻略し、福留の左前2点適時打で同点。なおも1死一、二塁という押せ押せムードが高まる中、二塁走者・ゴメスに代走・荒木を告げた。すでに3番・マートンにも代走を送っており、一気に逆転を狙う勝負手を打った。

 「勝負所というかね。点は入らなかったけど」

 同点で終われば、得点力が低下するというリスクは織り込み済みでの用兵だった。期待した、その、あと一本が出ない。それまで2安打していた狩野は二ゴロ。なおも残った2死一、三塁で今成が空振り三振に倒れた。結局9回以降の3イニングはわずか1安打。攻めのタクトは不発に終わった。

 ただ、この夜の敗因を突き詰めれば、7回まで2安打1得点に沈んだ打線だろう。昨秋、日本シリーズでも敗れた武田の前に安打を放ったのは狩野だけ。落差の大きい110キロ台のカーブに加え、今季から習得したとされる120キロ台の通称“よしボール”にもてこずった。

 中でもブレーキとなったのは、マートンだった。初回1死一塁では遊ゴロ併殺打。1―2の5回には2死一、三塁の好機で中飛に打ち取られた。8回無死一、二塁でも当たり損ねの投ゴロ。復調を信じ、3番で我慢の起用を続ける和田監督も「ちょっと内容が良くないね」と言葉が続かなかった。

 勝ち越せば交流戦1位も現実味を帯びる3連戦を1勝2敗で負け越し。勝率はまたも5割に逆戻りし、今季初の3カード連続勝ち越しもならなかった。何より、昨秋の日本シリーズでも苦杯を喫した大隣、武田を攻略できなかったことが悔しい。リベンジのために残された機会はただ一つ。晩秋の頂上決戦に臨むべく、ここから這い上がっていくしかない。

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2015年6月12日のニュース