巨人・鈴木、2盗塁で同点&決勝ホーム!「自分を表現できた」

[ 2015年5月10日 05:30 ]

<D・巨>延長11回1死一塁、二盗を決める鈴木(左)

セ・リーグ 巨人2―1DeNA

(5月9日 ハードオフ新潟)
 「神の足」で連敗を4で止めた。巨人は9日、首位・DeNA戦で鈴木尚広外野手(37)の快足がさく裂。0―1の9回に代走から盗塁を決め、亀井善行外野手(32)の同点打を呼び込むと、延長11回にも足でかき回し、内野ゴロの間に決勝のホームを踏んだ。1試合2盗塁で同点&勝ち越しの2得点。新潟での同カードは、ここ4年間で6試合中、4度目の延長戦となったが、足のスペシャリストの活躍でDeNAに1・5ゲーム差と迫った。

 今度は「本職」でヒーローになった。3日の阪神戦(東京ドーム)では6年ぶりの本塁打でお立ち台に上がった鈴木は、新潟のファンへちゃめっ気たっぷりに言った。

 「もう本塁打は打てないと思っているので、これからも自分の特長である足を存分に生かして勝利に貢献したいです」

 最大の勝負手が決まったのは、1―1の延長11回だ。無死一塁から9番に入っていた鈴木は二ゴロを打った。併殺かと思われたが「ゲッツーは僕の中にはないこと」と一塁に残った。この場面、犠打も考えられたが、加藤以外の野手を使い切り、2番に投手の沢村が控えていたため、原監督は強攻策に出た。もちろん、指揮官も「併殺はない」と踏んでいただろう。

 続く小林の打席。1ストライクからDeNAベンチは鈴木の足を警戒し、捕手を嶺井から、昨季リーグ1位の盗塁阻止率・395を誇った強肩の黒羽根に代えた。これが鈴木の闘争心に火を付けた。「相手も勝負してきた。初球から勝負にいこうと思った」。抜群のスタートから二盗に成功。小杉は次の投球が暴投となり三塁へ。小林の遊ゴロで「ゴロゴー」から本塁に滑り込み、無安打で決勝点をもぎ取った。

 プロ19年目、37歳を迎えたが進化は止まらない。2月の春季キャンプ。疲れた体にムチを打ち、毎朝6時に起床した。体をより自在に動かせるようにするため、宿舎の自室で呼吸法やストレッチに励んだ。休日は日が昇る前から外に飛び出し、黙々と2時間走で汗を流した。「これがシーズン終盤に必ず生きてくるんだよ」。本拠では試合開始の7時間前に球場入りして準備を重ね、終盤の出番に備える。地道な努力が超人的な走塁を生み出している。

 同点打を呼び込んだのも鈴木の足だ。1点を追う9回無死一塁で金城の代走で出場。指揮官から「思い切っていっていい」との指示通り、小林の2球目に二盗を決めた。犠打で三塁へ進み、2死後、亀井の同点適時打で生還。原監督も「どういうふうに動かしても2点が最高。(鈴木)尚広の足が生きたし、よく2点取ったなという感じ。きょうの勝ちは非常に大きい」と称えた。チームの安打数は3本だった。

 もつれることが多い新潟でのDeNA戦を制し、チームの連敗は4でストップ。首位・DeNAに1・5ゲーム差に詰め寄った。「常日頃の準備が良い結果につながっている。僕はこういう役回りなので、うまく自分を表現できた」と鈴木は言う。今季も盗塁は4回試みて成功率100%。接戦を制する「勝利の方程式」は健在だ。

 ≪1試合2盗塁以上は14度目≫ 鈴木(巨)が9、11回に二盗を成功。鈴木の1試合2盗塁以上は13年9月23日の広島戦で2盗塁を決めて以来通算14度目。また、この日は盗塁後に同点と勝ち越しの得点もマーク。盗塁直後の生還が1試合で2度は09年7月5日の中日戦以来自身4度目だが、2得点とも肩書付きは今回が初めて。

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