4番・中田 ようやく侍1号 弾丸ライナー「腹立たしかった」

[ 2014年11月16日 05:30 ]

<侍ジャパン・大リーグ選抜>3回1死一塁、左翼席に2ランを放つ中田

日米野球第3戦 侍ジャパン4―0大リーグ選抜

(11月15日 東京D)
 目覚めた。沈黙のメジャーリーガーがうらやむ強烈な一撃。中田が侍ジャパンの4番として、ようやく本領を発揮した。

 「全然チームに貢献できなかったので、腹立たしかった。勝ち越しを決める試合でチームに貢献できてうれしかった」

 2点リードの3回1死一塁。先発ガスリーが内角に投じた144キロツーシームをフルスイングすると、打球は低い弾道で一気に左翼席に届いた。初めて代表に選ばれた13年のWBCから、公式戦では記念すべき「侍ジャパン1号」となった。

 昨年11月の台湾との強化試合でも4番を務めたが、3試合で13打数2安打。本塁打も打点もなかった。だが中田は「日の丸の4番は特別な気持ち。その経験は間違いなくシーズン中でも生きた」と言う。今季は100打点で初タイトルとなる打点王を獲得。CSでも自身初の4戦連続本塁打を放つなど、4番の仕事を果たした。「あの時(台湾での強化試合)と比べたら全然プレッシャーを感じなかったし、緊張もなかった」。国際大会の経験を自信に変えた。

 日米野球でも第2戦まで8打数1安打と打てなかった。「スリーボールからでも変化球を投げてくる。最初はビックリしたけど、日本人と変わらないと思った」。冷静に分析し、その経験を再び自信に変えた。2回にも先頭で左翼線二塁打を放って先制点につなげ、2安打2打点。同じ右の大砲として期待を寄せ、昨年から全試合4番で起用している小久保監督も「4番の中田がやっと打ちました」と目を細めた。

 前日はメジャー通算218本塁打のカノの打撃練習を見学。「軽く振っているのにあんなに飛んでいる」と驚き、バットを交換した。この日も試合前にインディアンスの主砲サンタナとバットを交換。そのサンタナは「ナカタはいい選手だね。メジャーで十分通用すると思う」とうなった。メジャーの一流選手も認めた実力。「たかが、きょう打っただけで満足しているわけではない」と頼もしい。投手陣だけではない。25歳の若きスラッガーも大リーグ選抜に強烈なインパクトを残した。

 ≪勝ち越しは24年ぶり≫日本が開幕3連勝で今シリーズの勝ち越しを決めた。全米相手に勝ち越しは90年の4勝3敗1分けに次いで24年ぶり2度目になる。また、日本が全米に3連勝以上は04年第5~7戦に3連勝して以来4度目。開幕からでは90年4連勝、02年3連勝に次ぎ3度目だ。90年は連勝期間中にリードを許したのが7イニング、02年は2イニングあったが、今シリーズは0と危なげない試合運びを見せている。

 

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