トヨタ自動車3大会ぶり4度目V 佐竹30回2/3無失点でMVP

[ 2014年11月12日 05:30 ]

<セガサミー・トヨタ自動車>3大会ぶり4度目の優勝を果たし大喜びのトヨタ自動車ナイン

スポニチ後援第40回社会人野球日本選手権最終日・決勝 トヨタ自動車5―0セガサミー

(11月11日 京セラドーム)
 決勝が行われ、トヨタ自動車がセガサミーを5―0で下し、3大会ぶり4度目の優勝を果たした。エースの佐竹功年投手(31)が散発4安打に抑える完封劇。今大会4試合に登板し、計30回2/3を無失点でチームを頂点に導き、最高殊勲選手賞に選ばれた。初めて決勝に進んだ元ロッテの初芝清監督(47)率いるセガサミーは、都市対抗を含めた2大大会初優勝を逃した。

 最後まで1点も許さなかった。まさに「ミスター・ゼロ」。佐竹はマウンドに駆け寄ってきたナインと喜びを分かち合い、お立ち台で絶叫した。

 「最高です!今年のチームのテーマである“魂”を込めて、9イニングを投げ切れました」

 31歳右腕は決勝の大舞台でもベテランらしい巧みな投球術を見せた。序盤から中盤にかけては直球で押しに押した。最速は143キロ。その切れ味は抜群で、5回まで毎回の6三振を奪った。疲れが見え始めた後半は一転して90キロ台のスローカーブを織り交ぜ、セガサミー打線を翻ろう。128球を投げ抜いた。10回を無失点に抑えた準々決勝のJR東日本戦から中1日で再び快投し、「完封は出来過ぎ」と笑った。

 今夏の都市対抗は西濃運輸の補強選手として出場し、2完投などで優勝に貢献した。ただ、在籍するトヨタ自動車は2年連続で都市対抗出場を逃し、佐竹はエース、そして副将として責任を感じていた。その思いを今大会にぶつけた。2試合で完封し、30回2/3を無失点、防御率0・00。文句なしで最高殊勲選手賞を受賞し「都市対抗に出られず、チームに迷惑を掛けてきたので少しは報われた」と振り返った。

 身長1メートル69。「大きなやつには負けたくない、と思ってやってきた」と小さな体には闘志が詰まっている。田中大次郎監督も「彼にはいつも任せたと言っている」と全幅の信頼を寄せ、3大会ぶりの日本選手権制覇の立役者に。個人としては2大大会を制覇し、今年の社会人野球の「主役」となった。「この優勝をステップに、自信にして都市対抗で優勝したい」。来年の都市対抗にはトヨタ自動車で出場し、初優勝を成し遂げる。佐竹の物語には続きがある。

 ◆佐竹 功年(さたけ・かつとし)1983年(昭58)10月14日、香川県生まれの31歳。土庄高3年夏の香川大会は16強で敗退し、甲子園出場なし。早大では1年春にリーグ戦デビューし、通算27試合4勝4敗、防御率1・80。06年にトヨタ自動車入り。今年9月のアジア大会(韓国・仁川(インチョン))で日本代表入り。1メートル69、72キロ。右投げ右打ち。

 ▽トヨタ自動車 1937年(昭12)8月28日設立。社員数は33万8875人(14年3月末現在)。資本金は3970億5000万円。硬式野球部は1947年に創部。都市対抗は出場16度で、最高成績は09年の準優勝。OBは元ヤクルト監督の古田敦也氏、オリックス・金子、中日・吉見らがいる。本社は愛知県豊田市トヨタ町1。豊田章男社長。

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