黒田 まだまだ現役11勝!監督もGMも来季残留ラブコール

[ 2014年9月21日 05:30 ]

<ヤンキース・ブルージェイズ>11勝目を挙げた黒田(AP)

ア・リーグ ヤンキース5―3ブルージェイズ

(9月19日 ニューヨーク)
 ヤンキースの黒田博樹投手(39)が19日(日本時間20日)、ブルージェイズ戦に先発し、6回2/3を3失点(自責2)で11勝目を挙げた。開幕から唯一ローテーションを守る右腕について、ブライアン・キャッシュマンGM(47)は水面下で契約延長交渉を行っていることを認め、今オフの優先事項の一つと強調した。レッドソックスの田沢純一投手(28)もオリオールズ戦で4勝目をマーク。日本投手の年間合計勝利数が64となり、02年の62を抜いて過去最多となった。

 プレーオフ進出が厳しくなった状況でも、黒田はいつもの黒田だった。初回1死一塁から打率・304と苦手としているエンカーナシオンに左翼ポール直撃の先制2ランを浴びる苦しい立ち上がり。しかし「何とかしのいでいれば」と、ベテランの投球術で粘った。

 2種類のスプリットに緩急をつけ、シンカー狙いの相手打者の意図を読み、直球で押し込んだ。2回以降は5回の失策絡みの1失点のみ。7回2死から安打を許し、ちょうど100球で救援陣に後を託した右腕は11勝目に「毎試合、自分の責任を全うできるように。その積み重ね」と話した。

 投手陣最高齢の39歳。しかし、5年連続で「11勝&投球回190イニング以上」を達成するなど、衰えは全く見られない。打者有利とされるヤンキースタジアムを本拠としながら、被本塁打はヤ軍移籍後の3年間で25→20→18と減少し、一方で与四球は53→45→35と年々改善している。昨年の9月は0勝3敗、防御率5・70と苦しんだが、今季は2勝1敗、防御率3・00とシーズンを通したスタミナ面の課題もしっかり克服した。

 年俸1600万ドル(約17億4400万円)の1年契約を結んでいる黒田について、キャッシュマンGMは「来季に向けて選択肢は多いが、黒田との残留交渉はそのうちの一つ」とし、水面下で契約延長交渉を行っていることを認めた。ジョー・ジラルディ監督も試合後に「投手陣で最高齢だが安定感はNo・1。真のプロフェッショナル。来季も十分にできる」と熱烈なラブコールを送った。

 来年2月に40歳となる。黒田は再契約に向けて「自分の与えられた仕事をこなすだけ」と明言を避けたが、来季も名門ヤ軍に欠かせない存在であることは明白だ。

 ▼ブルージェイズ・川崎(黒田から2回に左前打も4打数1安打)黒田さんは球もよく動いて切れていた。2打席目、3打席目と見事にやられた。(チームは6連敗も)100連敗しようが、僕は(常に)テンション高いです。

 ≪日本人投手今季64勝≫この日は黒田と田沢が勝利。先に試合が終了した黒田が日本投手63勝目、田沢が64勝目となった。日本投手の勝利は、95年に野茂が大リーグに移籍して以降、右肩上がりの傾向で02年に62勝に達した。しかし、以降は低迷し、06年は12勝まで落ち込んだ。再び活躍が目立つようになったのは、ダルビッシュと岩隈が移籍した12年から。今季は過去最多の4人が2桁勝利をマークするなど、今オフの日本投場価値にも影響しそうだ。

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2014年9月21日のニュース