プロ入りは明大の先輩闘将のおかげ…楽天・島内 感謝の劇打

[ 2014年9月21日 08:01 ]

<楽・日>9回1死一、三塁から島内(左から2人目)はサヨナラ打。歓喜のウオーターシャワーを浴びるはずが、なぜか日本ハム・小谷野(左から3人目)が…

パ・リーグ 楽天3-2日本ハム

(9月20日 コボスタ宮城)
 秋の気配が漂い、肌寒いコボスタ宮城。水攻めを受けた楽天・島内は思わず顔をしかめた。プロ3年目で初めてのサヨナラ打。防寒でトレーナーを着込み、お立ち台では笑顔を振りまいた。

 「無心でバットを振り抜くことだけを考えた。残り全部勝ってCSを狙えるように頑張りたい」

 同点の9回1死一、三塁。クロッタが投じたスライダーを叩くと、打球はワンバウンドで一塁手の中田の頭上を越えた。昨季終盤に痛めた左肩の不安がなくなった7月下旬から1軍に定着。これで連続安打を記録する最近6試合は27打数14安打で打率・519だ。この日も3安打で1番の役割を果たし「痛みがなくなって、春先より力強いスイングができています」と手応えを口にした。

 今季限りで辞任する星野監督と同じ明大出身。11年のドラフト会議で人生が変わった。都内ホテルで5位までの指名を終え、席を立とうとした球団フロントに指揮官が言った。「島内を獲ってくれ」。指名リストに掲載されていなかった選手も、母校の関係者から「慶大の伊藤隼太(現阪神)以上になるかもしれない」との情報を得ていた。

 島内は当時を振り返り「星野監督がいなかったら今の自分はない。指名がなかったら社会人に行く予定でした」と感謝する。あえて厳しい言葉で後輩を指導してきた星野監督は「俺がいなくなると決まってから伸び伸びやるようになった」と冗談交じりに目を細めた。

 この日2万4247人を集め、今季主催試合の観客動員数が日本一になった昨季を上回る球団最多の129万2366人となった。今季初の5連勝を飾り、3位・日本ハムとは6・5ゲーム差。残りは14試合しかないが、星野楽天は最後まで諦めない。

 ≪パでは21年ぶり≫パの3試合はいずれもサヨナラ試合。同一リーグの全3試合がサヨナラ決着は、10年7月20日のセ・リーグ以来両リーグ5度目。パでは93年5月6日以来21年ぶり2度目となった。なお、楽天は今季8度目のサヨナラ勝ちとなり、10年にマークしたチームのシーズン最多記録に並んだ。

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