藤浪 冷や汗5失点降板も…カープ戦デビュー無傷5連勝

[ 2014年7月10日 05:30 ]

<神・広>7回無死、キラの打球を避ける藤浪

セ・リーグ 阪神6-5広島

(7月9日 甲子園)
 自らの勝利から始まった連勝を7に伸ばした。阪神・藤浪は初完投も視野に入れた8回に3安打と四球で2点を失い、なおも1死一、三塁で降板。試合後には「完投しないといけない球数だった」と反省の弁を絞り出した。7回終了時で90球。確かに完投しなければいけなかった。とはいえ、最低限の役割は果たした。

 7回までの藤浪は切れ味抜群だった。生命線とも言えるカットボールを自在に制球し、カウント球、決め球にフル活用。150キロ超の直球とともに「軸球」に使い、広島打線を手玉に取った。結果的に後味の悪いマウンドとなったが、7回1/3、5失点で6勝目。これで昨季から対広島は無傷の5連勝。阪神で入団年に1軍デビューした投手で、同一カード無傷の先発5連勝は91年入団の湯舟が中日に7連勝して以来。堂々たる広島キラーだ。

 中7日の登板間隔で立て直した。前回登板の1日・ヤクルト戦(倉敷)では5勝目も、6回6失点。カットボールの制球に苦しんだことが、要因の一つだった。そこで中西投手コーチからの「右ヒザが折れている」とのアドバイスを参考に、2日から修正に着手。リリースポイントが安定し、カットボールの精度も復活した。加えて、修正前はベルト付近の高さにとどめていた左足を胸付近まで上げるようになり、躍動感もアップした。

 技術面だけではない。オフだった3日には母校・大阪桐蔭グラウンドを訪問。大量のドーナツを差し入れし、後輩たちを激励した。西谷監督にも近況を報告し、ひと時の“里帰り”を楽しんだ。そして、ひたむきに汗を流す後輩の姿から「力」も得た。それだけに…。この日、スッキリと勝てていたら、どれほど気持ちよかったことだろう。

 「(8回は)自分のフォームで投げられなかった」と振り返った藤浪。だが悲観的になる必要はない。この日、最初はノーワインドアップ投法。それが5回から「合っている気がした」と急きょセットポジション投法に変更して好投を続けた。適応力は人一倍。次回登板までに、必ずや立ち直ってみせる。

 ▼阪神・呉昇桓(オ・スンファン)(6試合連続登板でリーグ一番乗りで20セーブ)勝てたのが一番。連投はそこまで体に負担ではない。

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2014年7月10日のニュース