キヨシDeNA「やっとできた」巨人戦初完封 3年56戦目

[ 2014年7月10日 05:30 ]

<D・巨>お立ち台でオリオンビールを贈られたDeNA・後藤(左)と久保

セ・リーグ DeNA3-0巨人

(7月9日 沖縄セルラー)
 ヒヤヒヤした分、喜びは大きかった。3―0の9回2死一、二塁、一発出れば同点の場面。DeNA・中畑監督はベンチで固唾(かたず)をのむ。

 次の瞬間、山崎が体をのけぞらせてセペダの遊飛をつかむと、同じくらい体をのけぞらせた。12年の監督就任後、苦節3年目、通算56試合目で初めての巨人戦完封勝利。「やっとできました。おめでとうございます。緊張感があった。大きな1勝。いい継投だったと思う」と自画自賛した。

 4投手による完封リレー。主役は先発の久保だった。前夜は台風8号の影響で中止。暴風雨が一晩中吹き荒れる悪天候で外出禁止令が出された。久保はホテルの敷地内でランニングなど1時間汗を流しただけだったが「沖縄の暖かい気候で体がむしろ切れていた。準備できなかったら結果が出ませんではプロではない」と答えを出した。6回5安打無失点。5回2死満塁のピンチでは坂本をスライダーで空振り三振に仕留めるなど要所を締める投球に、川村投手コーチも「抜け球がなかった。きのう準備できなくてこの投球。久保にしかできない」とうなった。

 どんな環境でも適応するのは久保の美学でもある。昨オフに阪神からFA移籍。家族を関西に残し、横浜市内で単身赴任の生活を送る。「不自由を不自由と思わないことが大事。自分で米も炊けないし、コーヒーも作れない。でも、外食すればいいわけだから」と楽しむたくましさがある。

 主砲のグリエルが「飛行機恐怖症」で沖縄遠征の同行を拒否。チームに動揺が走ったが、久保に続き、ソト、万谷、そして13セーブ目を挙げたルーキー三上の救援陣も奮闘した。中畑監督は「(沖縄で)これだけのお客さんが入ってくれた。緊張感があったし、ウチらしくない試合。野球に集中していたね」とご満悦。今夜こそ、沖縄の夜を楽しむ。指揮官を筆頭に――。

 ▼DeNA・三上(9回2死一、二塁のピンチもセペダを遊飛で今季13セーブ目)ゼロで抑えられて良かった。

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2014年7月10日のニュース