1メートル61小兵エース、都六郷工科・小里 ノーヒッター

[ 2014年7月8日 05:30 ]

<都六郷工科・青井>8回コールドでノーヒットノーランを達成した都六郷工科・小里

東東京大会1回戦 都六郷工科7―0都青井

(7月7日 神宮)
 第96回全国高校野球選手権大会(8月9日から15日間、甲子園)の地方大会は7日、7大会で37試合が行われた。東東京大会では都六郷工科のエース小里正大投手(3年)が都青井戦で8回参考ながらノーヒットノーランを達成。3年ぶりの初戦突破を果たした。8日は10大会で67試合が行われる。

 記録を達成しても、小里はしばらくキョトンとしたままだった。9回を抑えての達成を狙っていたからだ。しかし打線が8回に7点目を挙げてコールド勝ち。ノーヒットノーランは参考記録となった。

 「試合終了の時は、あ、終わっちゃったなと。それだけ集中していたのかもしれません。きょうはしっかり前でボールを離せた」

 練習試合でさえ完封の経験がなかった1メートル61の小兵右腕が、小雨の神宮で躍動した。テークバックの小さいフォームから丁寧に制球。最速は120キロに満たないが「打たせて取るのが持ち味」とスライダーを織り交ぜ、24アウト中内野ゴロ11と凡打の山を築いた。ピンチでも動じない。2回1死から四球を出したが、併殺で切り抜けた。8回も四球と盗塁で2死二塁とされたが、けん制で刺した。8回79球、1時間16分の快投劇だった。

 同校は定時制課程が併設するため、午後5時には完全下校。校庭を使えるのは週3日で練習時間はわずか1時間だ。それでも「1球投げるごとにフォームを確認したり、お風呂の中でもイメトレしていた」と地道に努力。松井周矢監督も「四球から自滅しなくなった。きょうも動じずによく投げた」と称えた。

 在籍するプロダクト工学科では機械溶接などを学び、将来は鉄道会社への就職を考えている。3年ぶりに夏の初戦を突破し「みんな成長したなと思った」と眼鏡の奥の瞳を輝かせた小里。最後の夏に、完全燃焼する。

 ◆小里 正大(こさと・せいた)1997年(平9)2月15日、東京都大田区生まれの17歳。5歳から野球を始め、小3から久が原イーグルスで本格的に競技開始。東蒲中時代は久が原イーグルス中等部でプレー。高校では1年夏からベンチ入りし、2年夏に背番号1。家族は両親と兄、妹。1メートル61、49キロ。右投げ右打ち。

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