松田９回２死逆転Ｖ弾「打った本人が一番びっくり」

＜西・ソ＞ヒーローインタビューを終えファンに両手を振る松田

パ・リーグ ソフトバンク４－３西武

（4月8日 西武Ｄ）
　まさに起死回生の一発だった。敗色濃厚だった９回２死二塁。ソフトバンク・松田が西武の守護神・十亀の初球、スライダーを振り抜くと逆転２ランホームランとなって左翼席に突き刺さった。

　「打った本人が一番びっくりしてます。（ダイヤモンドを回っている時は）ワーッという気持ちでした」

　何が幸いするか分からない。今季初めて７番に下がったオーダーで大仕事をやってのけた。西武の先発・牧田には昨季２１打数１安打、打率・０４８。大の苦手ということもあり、６番に中村を据える“牧田対策打線”だったが、５回までわずか１安打に封じられていた。さらに、開幕からヒットをマークしてきた内川、長谷川が１０試合目にして初めて無安打に終わっていた。

　「こういう打席、試合を左右する場面で打ちたい、と思って練習してるんです。ここまで（自分が）打っていれば勝っていた試合が２、３試合はありましたからね」。この日も牧田には３の０だった松田だが、決勝アーチの場面では昨季４打数３安打、打率・７５０とこちらは大得意だった十亀を粉砕。開幕してまだ１０試合目とはいえ、これまでの悔しさをバネにした一撃が最高の舞台で飛び出した。

　「ほんと救ってくれたね。それがマッチ（松田）のいいところ」と藤井打撃コーチが言えば、藤本打撃コーチも「マッチで勝つ試合があるから」とヒーローを持ち上げた。

　「ナイスホームラン！」。秋山監督は西武ドームの長い階段を上りきると「疲れたなぁ」と試合を振り返った。敗れていれば３カード連続の初戦黒星に加え、開幕３連勝の貯金を吐き出し勝率５割から再スタートを切らなければならないところだった。新選手会長の一発で連敗を免れたソフトバンクに再加速の予感が漂ってきた。