JFE東日本 コールドV 明大元主将・ルーキー中嶋ダメ押し3ラン

[ 2014年3月15日 05:30 ]

<日本製紙石巻・JFE東日本>7回コールド勝ちで優勝を決めたJFE東日本ナインは最後を締めた3番手・小原(21)に駆け寄って喜ぶ

第69回全国社会人野球東京スポニチ大会決勝 JFE東日本8―0日本製紙石巻

(3月14日 大田)
 準決勝、決勝が14日に行われ、JFE東日本が決勝で日本製紙石巻を8―0の7回コールドゲームで下し、2年ぶり2度目の優勝を飾った。明大出身のルーキー・中嶋啓喜外野手(22)が、ダメ押しの3点本塁打を放つなど、首位打者賞、新人賞の2冠を獲得。予選リーグで完封を記録し、決勝でも勝利投手となった杉本智大投手(27)が最高殊勲選手賞(MVP)を受賞した。JFE東日本は今秋の日本選手権大会出場権を獲得した。

 イメージ通りに、一振りで仕留めた。5―0で迎えた決勝戦の1死一、二塁。中嶋が左腕・塚本の初球、101キロのスローカーブを叩いた。高々と上がった打球は、左翼ポールを直撃した。勝負を決定づける3ランだった。

 「変化球が多かったので狙って打った。何も分からない状態で(大会に)入って、新人らしく思い切ってやった結果。優勝できて良かった」

 明大4年時は主将を務めた。チームは2季連続リーグ制覇したが、中嶋は昨秋に不振に陥り、優勝決定時はスタンドで観戦していた。「自分がプレーして優勝はうれしい。新鮮な気持ちで臨むことができた」と、悔しさを糧に、社会人での最初の大会で成長した姿を見せた。

 「何もかもを変えた」という打撃フォーム。大学時代は力みで形を崩していたことに気付き、新天地では「トスバッティングの延長で打つこと」をテーマに打席に入った。予選リーグ3試合では計3安打に終わったが、前日に雨天中止が決まると、自身の打撃フォームをDVDでチェックした。「トップが大きくなっていたので、コンパクトにするイメージにした」。準決勝で3安打の固め打ちを見せると、決勝でも3安打。1日に6安打を量産し「出来すぎ」と頬を緩めた。

 打率・450で首位打者賞を獲得し、小峰とともに新人賞も受賞した。投手陣は九州三菱自動車から移籍した幸松が2勝を挙げるなど新戦力が台頭し、青野達也監督は「チーム内での競争意識が芽生えた。勝つことでエネルギーを蓄えて都市対抗予選につなげたい」と手応えを口にした。

 「(社会人は)強いチームが多くて簡単にはいかないけど、ミスを恐れずにやっていきたい」と中嶋。明大で同期だった岡大海(ひろみ)は日本ハム入りした。目標は2年後に同じ舞台に立つこと。中嶋に、自信が戻った。

 ◆中嶋 啓喜(なかしま・ひろき)1991年(平3)7月15日、東京都生まれの22歳。鶴川中では青葉緑東シニアに所属し、3年春に全国大会優勝。桐蔭学園では3年夏、神奈川大会決勝で横浜隼人に延長サヨナラ負けを喫し、甲子園出場はなし。明大に進み、2年秋は4番に座りベストナイン、明治神宮大会で全国制覇。主将を務めた4年時は2季連続リーグ優勝を果たした。1メートル80、84キロ。右投げ右打ち。

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