前田智徳氏 天才は嫌だった「自分の哀れさ感じるので」

[ 2014年3月15日 09:45 ]

「カープ女子」と記念撮影をする広島球団アドバイザーの前田智徳氏

 昨季限りで引退した広島球団アドバイザーの前田智徳氏(42)が14日、東京・銀座の広島ブランドショップTAUでトークショー「男前田塾」を行った。

 広島の元トレーナー・鈴川卓也氏(39)、熱狂的な広島ファンの放送作家・桝本壮志氏(38)とともに現役時代の思い出やファンへの打撃教室を展開。前田氏の前で素振りをした男性を「森笠(繁=元広島)の右打ちよりいいです」と独特の表現で褒めた。

 現役時代に“天才”と称せられたことに関しては「自分の哀れさを感じるので、そっとして欲しかった」と告白。そのうえで「天才は誰かというと、特殊な打ち方で成績を残す方」と自身の考えを示した。

 両足のアキレス腱を手術しながら2000本安打を達成した不屈の姿勢に、ファンからは「ケガから復帰を目指すときに気持ちを奮い立たせるモチベーションは?」という質問も。すると「常に心は折れていました。自分でも乱れていた年もあるし、ふてくされていた年もあるし」と意外な回答をしたが、それでもトレーナーを始めとした周囲のサポートに対し「手伝ってくれる人のために恩返ししたい」という思いが原動力になったという。

 大の釣り好きだというエピソードも披露。地元・熊本で幼少期から釣りに親しみ、プロ入り後も寮やキャンプ地の近くで釣り糸を垂らすこともあったのだとか。子供の頃に抱きかかえるほどの鯉を釣ったこともあるものの「でもカープが鯉っていうのは入団して何年目かくらいまで知りませんでした」と漏らし笑いを誘った。

 この日は地元ではなく東京で行われたイベントにも関わらず定員60人に対し応募が1000通以上あったという。近年では関東の広島ファンが増えていることを前田氏自身も「ベンチから見てもわかっていた」と実感。「期待に応えたいという思いが昨年のCS出場という結果に現れたのだと思う」と応援がしっかり届いていたと明かし、「僕もその(CS出場の)輪の中にいたかったですが、また後輩に頑張ってもらいたいなと思います」とエールを送った。

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