大嶺翔 故郷に錦 生き残り「最後のチャンス」で3安打4打点

[ 2014年2月17日 05:30 ]

<ロ・オ>5回無死二、三塁、左前に2点タイムリーを放つ大嶺翔

オープン戦 ロッテ7―4オリックス

(2月16日 石垣)
 凱旋猛打賞だ!プロ野球のオープン戦は16日、沖縄県石垣市で初開催となるロッテ―オリックス戦で開幕した。ロッテは地元出身の大嶺翔太内野手(22)が3安打4打点と大暴れし、逆転勝利。兄の大嶺祐太投手(25)は先発で2回3失点だったが、登録名を「翔太」から本名に戻した弟がカバーし、初の1軍昇格へ、最高のスタートを切った。オープン戦は22日の6試合で本格化し、3月23日まで計101試合が組まれている。

 故郷に錦を飾った。大嶺翔のバットから快音が聞かれるたびに、球場は大歓声に包まれた。0―4の5回無死二、三塁。内角低めの137キロ直球を左前に運ぶ2点適時打で、まずは反撃の口火切った。7回無死三塁で適時内野安打を放つと、勝ち越した直後の8回には無死一、三塁で中前適時打でダメ押し。3安打4打点の活躍で史上最南端で行われたオープン戦の主役となった。

 「最高の一日になりました。このオープン戦が最後のチャンスと思っていた。出来すぎです」

 大嶺兄弟の勇姿を見ようと、オープン戦のチケットは2日間で完売。球場の外にはチケットを入手できない人であふれた。先発のマウンドに上がった兄・大嶺祐とともにスタメンに名を連ね、「8番・三塁」でフル出場。プロ5年目で1軍出場はなく、まさに崖っ縁の立場だが、地元の大声援も後押ししてくれた。

 昨年8月16日に千葉県出身の一般女性と結婚し、同9月27日に長女が誕生。「沖縄の夢のある人になってほしい」との思いを込めて「琉夢(りむ)」と名付けた。芽生えた自覚。「仕事がなくなったら家族を養えない。危機感を持って頑張る」。地元の友人には「最後のチャンスだから、キャンプ中は食事にも誘わないでほしい」と告げた。

 先発した兄は、2回を投げて5安打3失点と精彩を欠いたが、伊東監督は「弟が頑張って、兄ちゃんをカバーしたね」と称え、大嶺翔も「兄弟なので支え合いたい」と兄弟愛を口にした。

 凱旋試合での活躍が実り、当面の1軍同行切符を確実にした。三塁には不動のレギュラー・今江がいる。壁は高いが「今江さんは144試合出場すると言っていたけど、自分が1試合でも多く削りたい。今度は公式戦で打っている姿を島の人に見せたい」。兄弟の本当の恩返しは、これからだ。

 ▼ロッテ大嶺祐(地元で先発を任されたが2回3失点)2死を取ってからの失点が凄くもったいなかった。アピールしなければいけない立場。悔しかった。

続きを表示

この記事のフォト

2014年2月17日のニュース