マー君「興奮」32球で捕手うならせた “公開着替え”には大テレ

[ 2014年2月17日 05:30 ]

エースそろい踏み!!ブルペン投球練習でCCサバシア(左)と黒田(18)に挟まれる田中

 ヤンキースの田中将大投手(25)が15日(日本時間16日)、フロリダ州タンパでキャンプイン、ブルペンで32球の投球練習を行った。エースのCCサバシア投手(33)と黒田博樹投手(39)に挟まれる重圧の中で、低めに球を集める持ち前の制球力を披露。投球時間が短く、球数制限もある米国式キャンプにも対応し、先発の主力組としてメニューを消化した。7年総額1億5500万ドル(約158億1000万円)で加入した大物ルーキーが第一歩を順調に踏み出した。

 初体験のハイピッチでの投球練習。田中に与えられた時間は約8分だった。球数のメドは35球。14秒以内に1球を投げる計算だ。戸惑いはあった。それでも、大物ルーキーはテンポよく、丁寧に32球を投げ込んだ。

 「自分で気をつけるところは気をつけて投げられたし、内容もまずまずだったので良かった」

 メジャーのキャンプは練習時間が短い。登板間隔が中4日と短いシーズンを見据え、ブルペンでは球数制限も強いられる。さらにキャンプ初日に先発ローテーション投手がブルペンに並び、一斉に投球練習を行うヤ軍特有の儀式も重なった。左にサバシア、右に黒田と左右のエースに挟まれての投球。「余裕はなかった。背中合わせでサバシアが投げているのは分かっていたけど、それよりも早く投げなきゃ、というのがあった」。ただ、言葉とは裏腹に直球、ツーシーム、スライダー、スプリットを投げ込む姿は堂々としたもの。ほとんどが低めに集まり、捕手のセルベリは「コーナーを突いて、構えたところに球がきたよ」と絶賛した。

 背番号19の入ったキャンプ用の紺のユニホームに袖を通した。「いよいよ始まったな、という感じ。新しい刺激というか今までにないものがある。凄く興奮した」。黒田から相手役に指名されたキャッチボール開始直前には、約20メートル離れたボールケースに素早くダッシュ。同僚にボールを渡す姿はルーキーらしく初々しかった。日本と違い、ロッカールームがメディアに開放される中での着替えも初体験。会見では「見たい人はどうぞ見てください」と言い放ったが、練習後には「シャワーを浴びたいんで早く出て行ってくださいよ」と大照れ。キャンプ初日の充実感に明るい表情が絶えなかった。

 米国のファンからも「タナーカ!」という大歓声を受けたが、冷静な田中らしく受け止めた。「こういう状況は選手としてはうれしいこと。でも、まだグラウンドでは結果を出していない。そこに向けての準備をこれから進めたい」。しっかり地に足を着け、スタートを切った。

 ▼ジョー・ジラルディ監督 (ブルペンでは)力が入り過ぎていないかを気をつけて見ていた。(黒田とのキャッチボールは)同じ国から来ているからそうなったのだろう。ヤンキースにとってはいいこと。

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