伊良部「カエル事件」の後日談 オーナー喜ばせた贈り物

[ 2014年2月2日 07:47 ]

ヤンキースのユニホームに袖を通す伊良部

 田中将大のニューヨーク・ヤンキース入団で、歴代のヤンキース所属日本人投手に改めてスポットが当たっている。これまでピンストライプのユニフォームに袖を通した日本人投手は、伊良部秀輝(97~99年)、井川慶(07~08年)、五十嵐亮太(12年)、黒田博樹(12~)の4名だ。

 ドジャース時代も含め日本人メジャー初の3年連続200投球回を達成した黒田は、ヤンキースで最も信頼を寄せられる先発投手として評価が高い。五十嵐に関してはわずか2試合のみの登板のため評価が難しいが、伊良部、井川の二人は、言葉が悪いが「失敗例」として語られることが多い。特に伊良部は、オーナー(当時)のスタインブレナー氏から「太ったヒキガエル」呼ばわりされたのは有名なエピソードだ。しかし、この「カエル事件」には後日談があることはあまり知られていない。

 伊良部の代理人を務めた団野村の著書『伊良部秀輝』(PHP新書)によれば、「カエル発言」のあと、スタインブレナーの方から、「彼の力が必要だ。ああいう発言をして、本当にすまなかった」と謝罪。これによって関係修復ができた伊良部は、後日スタインブレナーの誕生日に「カエルの置物」をプレゼント。スタインブレナー氏はこの洒落を喜び、オフィスに飾っていたという。

 スタインブレナー氏、そして伊良部ともに、「傲慢」「わがまま」というイメージがつきまとう。しかし、裏ではこんな茶目っ気のあるやり取りをしていたというのが面白い。伊良部はその後、モントリオール・エクスポズへトレードに出されたが、それは決して確執が問題ではなかったことがこのエピソードからわかる。

 田中に関しても、高額な契約金ゆえのやっかみや批判が今後生まれる可能性は大きい。だが周囲に惑わされることなく、明確な「結果」を残すことで、ニューヨークのファンをうならせて欲しいものだ。(スマホマガジン『週刊野球太郎』編集部)

 ▼『週刊野球太郎』(http:/yakyutaro.jp/)とは イマジニア株式会社ナックルボールスタジアムが配信するスマートフォンマガジン(auスマートパス、docomo SPモード、Yahoo!プレミアムで配信中)。母体となるのは雑誌『野球太郎』。ドラフト関連情報はもちろん、ディープな記事に定評がある野球愛好家のバイブルともいってよい存在。現在、全国書店にて『野球太郎No.007~2013ドラフト総決算&2014大展望号』が発売中。2014年シーズンを占う一冊。また、2月17日には新趣向の媒体『別冊野球太郎<2014球春号>プロ野球呪いのハンドブック』が新発売となる。

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