王さん「掛け持ちでは務まらない」…渡辺会長からコミッショナー指名も

[ 2013年7月3日 06:00 ]

福岡空港に到着した王球団会長

 統一球の無断変更問題で渦中にいる加藤良三コミッショナー(71)の後任として、1日に巨人・渡辺恒雄球団会長(87)から「指名」されたソフトバンク・王貞治球団会長(73)は2日、東京から戻った福岡空港で本紙の取材に応じた。渡辺会長からの打診について問われると、厳しい表情を浮かべ「全然、全然。(関係者らを通じても)俺のほうもそんなことは全然聞いていないしね。体力的にもね」と話し、あらためて否定的な見解を示した。

 渡辺会長の希望は、加藤コミッショナーが任期を全うする来年7月以降の就任。ただ、06年に胃がん摘出手術を行い、健康面に不安を抱える王会長は現在、体力の消耗が激しい夏場には球団がイベントなどのスケジュールを極力控えるなど、年間を通じた活動は困難である。そのため、渡辺会長も最大限の配慮を約束しているが、「バックアップという話も出ていたけど、現実は簡単ではない」と首を横に振った。

 さらに、ソフトバンクの球団会長だけではなく、日本プロ野球名球会理事長や巨人OB会長なども務めており、コミッショナーとの「兼務」について「掛け持ちでは務まらないでしょう。体力的に無理だと思いますから」と話した。統一球問題に関しては、既に第三者委員会が調査を開始。労組・日本プロ野球選手会(嶋基宏会長=楽天捕手)は加藤コミッショナーに事実上の退任を要求する内容の要望書を日本野球機構(NPB)と第三者委員会に提出している。球界に大きな影響力を持つ渡辺会長の「王次期コミッショナー案」。この日、嶋会長はコメントしなかった。

 ▼DeNA・中畑監督 王さんが(コミッショナーに)ふさわしいということには同調できる。野球を知り尽くしている方だし、これ以上の適任はいない。ただ、体の負担も考えなければいけないと思う。

 ▽コミッショナーの選任方法 野球協約は第2章第5条(選任)で「コミッショナーの任免はオーナー会議が行う」と定めている。オーナー会議の議決には出席した全員の4分の3以上の同意が必要。また同第6条(任期及び身分)では「コミッショナーは、正当な理由なく任期中に解任されない」としている。

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2013年7月3日のニュース