イチ 米通算2000単打!稲葉を「ミスターいい人」と祝福

[ 2012年4月30日 06:00 ]

<ブルージェイズ・マリナーズ>6回、マリナーズのイチローはモローから中前打を放つ

ア・リーグ マリナーズ0―7ブルージェイズ

(4月28日 トロント)
 マリナーズのイチロー外野手(38)が28日(日本時間29日)、ブルージェイズ戦で3試合ぶりの安打となる今季9度目のマルチ安打。この日の2本の単打を加え、米移籍11年目で歴代48人目となる通算2000単打を記録した。また同郷の愛知県出身で、プロ通算2000安打を達成した日本ハム・稲葉篤紀外野手(39)に対しても独特の表現で、同じ「2000」の節目を祝福した。

 イチローらしい勲章が新たに加わった。初回に遊撃内野安打を放つと、6回の第3打席では外角低めのスプリットにバットを軽く合わせ、相手先発モローの股をゴロで抜く中前打。米通算2455安打目で、通算2000単打に到達した。

 パワーで長打を飛ばすのではなく、脚力やバットコントロールで大リーグの猛者たちと渡り合ってきた。今季は開幕から3番を任されているが、キャンプ前には「僕が僕であることはもう変えられない。3番に入ったことで、ホームランが増えるはずもない」と語った。この日の2安打を含め、安打に占める単打の割合は実に81・5%。大台をクリアした48人の中でも、安打の80%以上が単打というのはわずか6人しかいない。その数字こそが11年間の足跡を表している。

 前日には09年の第2回WBCで同じ日本代表メンバーだった日本ハムの稲葉が2000安打を達成。「ミスターいい人。僕はいい人をいい人という意味では使わないんですけど、本当にいい人だから」

 東京ラウンドで16打席無安打と極度のスランプに陥った際には、韓国戦の前に先発の金広鉉(キム・ガンヒョン)と北京五輪で対戦経験のあった稲葉にアドバイスを求めたこともある間柄だ。

 少年時代には同じバッティングセンターにも通った。中学3年の時、中京(現中京大中京)1年だった稲葉を同センターで見かけた。当時、稲葉はまだ4番ではなかったが「これが(もし)中京の4番なら、僕はもっと(上に)行けると思った」と話して笑わせた。同郷に加え、WBCでは日の丸を背負って戦った「戦友」。だからこそ、イチローらしい言い回しで稲葉の偉業を喜んだ。

 ≪史上48人目≫イチローが歴代48人目となる大リーグ通算2000単打を達成。通算安打に占める割合81・5%は、2000単打以上の打者の中では4位に相当する高さ。達成48人の平均値は73・4%、歴代2位の755本塁打を放っているハンク・アーロンの場合は60・8%で、イチローの単打率の高さが浮かび上がる。また、オリックス時代は通算1278本中926本が単打で、割合は72・5%。剛腕がそろい、ボールも飛びにくい大リーグで、昨季まで1番として出塁することに腐心した跡がうかがえる。

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2012年4月30日のニュース