稲葉止まらん!2安打で3冠王快走 最年長首位打者狙える!

[ 2012年4月30日 06:00 ]

<楽・日>6回1死、2本目の安打となる二塁打を放ちベースに滑り込む日本ハム・稲葉(右は楽天・松井)

パ・リーグ 日本ハム4-0楽天

(4月29日 Kスタ宮城)
 日本ハムの稲葉篤紀外野手(39)が史上39人目の通算2000安打達成から一夜明けた29日の楽天戦で2安打を放ち、今季11度目のマルチ安打をマークした。目下打撃部門3冠と絶好調。チームも1分けを挟む3連勝で、2位・ロッテに3ゲーム差をつけて首位を快走中だ。稲葉は今年8月で40歳を迎える。大記録を成し遂げたベテランの次なる目標は最年長の首位打者獲得だ。

 お祭りムードから一夜明けても、敵地で観衆の視線をくぎ付けにしたのはやっぱり稲葉だった。たくさんの「2000安打おめでとう」の応援ボードが掲げられた2回の第1打席。先頭として打席に入ると、戸村の直球を左前に運んだ。

 「2000本打ってピタっと止まるのも嫌だしね。2001本目を大事にしたかった」
 6回には右翼フェンス直撃の二塁打を放ち、スレッジの右越え弾で生還。「特に2本目は得点に結びつくものだったから良かったよね。きょうは(武田)勝だったし、勝ちたい思いが強かった」と喜んだ。

 前日の試合後は、仙台市内のホテルでチームメートやスタッフによる、ささやかな祝勝会が行われた。普段は酒を口にしない稲葉だが「自分のお祝いごとだからちょっと」とビールをゴクリ。「おいしかったよ。少しボーッとしたけど」と久々の味と喜びに酔いしれた。この日の朝には前日観戦に駆けつけた両親と電話で話し「“あっけなかったね”って言われたんだけど、結構大変なんだからって言っておいたよ」と照れ笑いした。

 早くも今季11度目のマルチ安打で打率・379。4本塁打、23打点と打撃3部門でトップ。安打数、長打率を合わせれば「5冠」だ。07年に35歳で初の首位打者を獲得したが、今度は史上最高齢となる40歳シーズンでの首位打者獲得も視界に入る。

 年齢を重ねるごとに進化する稲葉。もちろん、体の管理は怠らない。例えば、飛行機移動や就寝時には必ずスパッツをはく。着圧で血流を助け、下半身のむくみを軽減し、疲労回復を促進するという。

 栗山監督もこの日の2安打に「きのうも言ったけど、3000本打つんだから当たり前」と話した。「新たなスタート、そんな気持ちでやりますよ」と稲葉。今年8月に「不惑」40歳を迎えても、稲葉の打撃は惑わず、だ。

 ≪過去最高は36歳≫稲葉(日)が2安打。1試合2安打以上は今季両リーグ最多の11度目と絶好調だ。これで今月は87打数33安打の打率・379。自身月間最多安打は07年9月、10年8月にマークした35本。30日の楽天戦で自己記録に挑む。また、稲葉は8月3日に満40歳を迎える。過去、最年長首位打者は79年ミヤーン(大洋)、89年クロマティ(巨)、08年リック(楽)の36歳。今季獲得すればこの記録を大幅に更新するがどうか。ちなみに大リーグではレッドソックスのテッド・ウィリアムスが58年に40歳で首位打者に輝いている。

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