楽天“足攻”5盗塁 メジャー119勝の大物右腕攻略

[ 2012年4月5日 06:00 ]

<楽・ソ>4回1死三塁、聖沢の適時打で生還した嶋を迎える楽天・星野監督

パ・リーグ 楽天6―5ソフトバンク

(4月4日 Kスタ宮城)
 強風を切り裂いて飛ぶイヌワシのように、楽天ナインがダイヤモンドを疾走した。4回までに球団タイ記録の5盗塁を決めて6点。メジャー通算119勝の右腕ペニーをこの回途中でKOした星野監督は「なかなか点を取れない投手。あれ(盗塁)しかない」としてやったりの表情だった。

 1点を追う3回だ。1死一、二塁から二塁走者の聖沢が「二塁から見ていて“行ける”と思った」と三盗を試みると、それを見た一塁走者の銀次も判断よく二塁へスタート。焦った細川が二塁に悪送球し、同点に追いつく。マウンド上でいらだつしぐさを見せる右腕に対し、さらに猛攻を浴びせて4得点で逆転した。

 発達した低気圧の影響で試合開始の約30分前には、仙台市内で風速30メートル以上の突風を観測。常時10メートル前後の強風に雪も交じる悪条件は、投手が集中力を欠く天候でもあった。ドジャース時代の06年には最多勝を獲得したペニーだが、ベンチはメジャー時代からマウンドで頭に血が上るタイプで、クイックも得意でないことを把握。試合前の指示は「セーフティーバントや盗塁で相手をイライラさせろ」だった。まさに戦略通りの展開に田淵ヘッドコーチも「もちろんペニーの性格は分かっていた」とにんまりだ。

 1番の聖沢は4回の二盗で通算100盗塁に到達するなど、自身初の3盗塁。4回1死三塁の右前適時打を含む3安打1打点の活躍に「今年はチャンスメークだけじゃなく、走者を還すことも求められている。全てができた試合」と話した。

 本拠地で開幕3連敗スタートも、昨季の日本一軍団に連勝。星野監督は「やり返そうという気持ちが出ていた」とうなずいた。昨季もリーグ2位の130盗塁。大物右腕を攻略した「足攻」は、星野楽天の最大の武器となる。

 ▼楽天・ハウザー(2点リードの8回に来日初登板で1回1安打無失点)緊張せず目の前の打者に集中したのがよかった。

 ▼楽天・本西外野守備走塁コーチ(5盗塁について)米国で100勝以上していても、日本は隙があれば突く野球。いい走塁ができている。

 ≪62年ぶりパ・タイ両軍合わせ12盗塁≫楽天―ソフトバンク戦は楽天5個、ソフトバンク7個の計12盗塁。1試合両軍合計盗塁の最多記録は36年10月24日タイガース―大東京戦の18盗塁(タ13、大5)だが、パでは50年4月10日阪急―毎日戦(各6盗塁)に並ぶ62年ぶり2度目のリーグタイ記録。

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2012年4月5日のニュース